...「シカゴまで参るつもりですの」「僕も……わたしもそうです」岡は待ち設けたように声を震わしながらきっぱりと答えた...
有島武郎 「或る女」
...寺に幽霊が参るというのも...
井上円了 「おばけの正体」
...まだ参るには早いのだが...
海野十三 「怪塔王」
...だが偶(たま)に清水(きよみづ)へ参る時はあつてもそんな折には袂の珠数はすつかり忘れてしまつて...
薄田泣菫 「茶話」
...この狆の姿が九重(ここのえ)のお奥へ参るわけで御座いますね」「そうです...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...それで、今夜のうちに、堺へ参るよう、手筈を致してある...
直木三十五 「南国太平記」
...伯父の許へ参って聞いて参る」「はっ――それから...
直木三十五 「南国太平記」
...上って参る手筈になったが――」富士春は...
直木三十五 「南国太平記」
...これを究めるもまた容易ならぬ論議を生じて参るのでございましょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...実は昼過ぎ日本橋を出て未刻(やつ)過ぎ申刻(ななつ)近く参る筈でしたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...赤い焔(ほのお)に包(つつ)まれて、歎(なげ)き叫んで手足をもだえ、落ちて参る五人、それからしまいに只(ただ)一人、完(まった)いものは可愛(かわい)らしい天の子供(こども)でございました...
宮沢賢治 「雁の童子」
...神々はパラス〔軍の神〕の室に参る時よりもウェヌス〔愛の神〕の室に通う時にかえって多くの汗をかかせるのだということを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...張飛がひっさげて参るとも...
吉川英治 「三国志」
...木下殿が参るようにござります」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...麓へ参るとき供して行け――ということばはうけていたが...
吉川英治 「新書太閤記」
...早馬をもってこれへ参るはずにございまする」「して...
吉川英治 「新書太閤記」
...酒でも参るがよい」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...結納(ゆいのう)を持って出直して参る」「左様か...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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