...それは去年の春、彼の所へ弟子入りをしたいと云つて手紙をよこした、相州(さうしう)朽木(くちき)上新田(かみしんでん)とかの長島政兵衛(ながしままさべゑ)と云ふ男である...   
芥川龍之介  「戯作三昧」 
...去年の春頃から大へん真面目になりましてね...   
伊藤左千夫  「姪子」 
...去年の春は春風吹き荒んで...   
大杉栄  「獄中消息」 
...去年の春麻布(あざぶ)のさる町を通行したら高い練塀(ねりべい)のある広い屋敷の内で何か多人数打ち寄って遊んででもいるのか面白そうに笑う声が聞えた...   
夏目漱石  「趣味の遺伝」 
...去年の春飄然(ひょうぜん)と東京へ戻って来た...   
夏目漱石  「野分」 
...「お袋さんは?」「去年の春五十八で亡くなりました...   
野村胡堂  「銭形平次捕物控」 
...去年の春田舎(いなか)から呼寄せました...   
野村胡堂  「銭形平次捕物控」 
...ニュウ・メキシコの鉱山で働いていらしたのだそうですね」「古い話です」「去年の春ごろ...   
久生十蘭  「あなたも私も」 
...去年の春、我が慶応義塾を開きしに、有志の輩(はい)、四方より集り、数月を出でずして、塾舎百余人の定員すでに満ちて、今年初夏のころよりは、通いに来学せんとする人までも、講堂の狭きゆえをもって断りおれり...   
福沢諭吉  「慶応義塾新議」 
...去年の春はその牡丹が咲き揃つてゐる間中...   
堀辰雄  「行く春の記」 
...「ハツハツハ……」「照子さんはもう学校を出たの?」「あゝ、去年の春...   
牧野信一  「晩春の健康」 
...そして二人は去年の春私の後を追ふて都に上つた...   
牧野信一  「三田に来て」 
...去年の春かえってから...   
宮本百合子  「獄中への手紙」 
...去年の春の挿頭(かざし)の花の歌の贈答がお思い出されになるのであったが...   
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」 
...それは去年の春、こんど仲人を頼んだ、佐多梅所から貰ったものである...   
山本周五郎  「竹柏記」 
...去年の春、此処(こゝ)へ迷ひ来給ひし時、見知り給ひしなるべし...   
夢野久作  「白くれない」 
...硬骨な氏は去年の春舞台監督と衝突して即座に辞職を申出(まをしい)で...   
與謝野寛、與謝野晶子  「巴里より」 
...去年の春の末だったかなあ...   
吉川英治  「山浦清麿」 
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