...膚からとも知れぬ柔軟な香(かお)りだけでも去りがたい思いをさせたに違いなかった...
有島武郎 「或る女」
...今は涼風を満喫するような心もちでいつまでも立ち去りがたい心地がした...
高浜虚子 「別府温泉」
...取り去りがたい粗野が潜んでいた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...何となくそのさびれ果てた周囲の光景が私の感情に調和して少時(しばし)我にもあらず立去りがたいような心持をさせる...
永井荷風 「日和下駄」
...その儘では何か立ち去りがたいように...
堀辰雄 「曠野」
...どうも地勢が違うばかりでかように性質が異なると説き去りがたいとあるが...
南方熊楠 「十二支考」
...捨て去りがたい気のするものの多いことを源氏は感じていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...このごろの楽の音(ね)のおもしろさに女御は六条院を去りがたいのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...良人の魂の遺っている土地を去りがたい妻の心が...
山本周五郎 「日本婦道記」
...立ち去りがたいものがあった...
横光利一 「旅愁」
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