...体操の教官――ある陸軍大尉はいつも僕らには厳然としていた...
芥川龍之介 「追憶」
...厳然として椅子に凭(よ)り...
泉鏡花 「海城発電」
...芳子の打伏している机の傍に厳然として坐った...
田山花袋 「蒲団」
...もちろん物理学の場合には自然という客観的存在が厳然として控えているから...
寺田寅彦 「物理学圏外の物理的現象」
...エフィ」彼は厳然として叫んだ...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「黄色な顔」
...三千円はあらためて君にくれる」厳然として言い放ちつつ武男は膝の前なる証書をとってずたずたに引き裂き棄(す)てつ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...乗合いのものが迷惑する」と駒井が厳然としていいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...あらゆる職業以外に厳然として存在する一種品位のある紳士から受くる社交的の快味であった...
夏目漱石 「長谷川君と余」
...「弥撒(ミサ)ロ短調」は厳然としてエヴェレストの観を呈する...
野村胡堂 「楽聖物語」
...厳然として賦与(ふよ)されているものに...
羽仁もと子 「おさなご」
...もっと重々しい一つの門が厳然として立っていた...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...「結婚――」加藤は故意とらしく厳然として...
牧野信一 「女に臆病な男」
...実際上は存在もしなかった「針路」や「清澄」を今更になってそれが厳然として存在していたかの様に言い作ることに依って...
三好十郎 「俳優への手紙」
...数世紀を経た今日に至るまで厳然として残っている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...厳然として自律する朝鮮である...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...厳然として自律する朝鮮である...
柳宗悦 「民藝四十年」
...家のバックに戸主が厳然としているから...
柳田国男 「故郷七十年」
...それに唯翁が茶杓の一枝を手に取りて構へられたる形のみが厳然として寸毫の隙を見せざる其の不思議さは何の姿に候ぞと人々はこの点を驚嘆せしものに候...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
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