...あらゆる処女崇拝者の何か厳然と構えているのも或は偶然ではないかも知れない...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...それが本当に自己の内奥に潜む力の発現として作家を容型しているものならばたとえ似交(にかよ)った多くの美人画の中にも厳然と相容(い)れざる特異な相が現われていなければなりません...
上村松園 「雷同性に富む現代女流画家」
...艦長水原少佐は厳然とかまえている...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...厳然と申し渡された...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...鍛冶(かじ)の効をつんで厳然とした規格の地盤に根を張った逸品の前に持ち出すと...
高村光太郎 「書について」
...今も昔のままに厳然と残っている城門を矢鱈(やたら)に出たり入ったりしながら...
太宰治 「惜別」
...厳然と威儀をととのえて...
谷譲次 「踊る地平線」
...以前と同じように厳然と生きておるのじゃ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...ハスレルの胸像が一つ厳然と控えていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...和歌は『万葉集』の撰(せん)ありて後(のち)吟咏(ぎんえい)の法式厳然として一定せられたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...乗合いのものが迷惑する」と駒井が厳然としていいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...あらゆる職業以外に厳然として存在する一種品位のある紳士から受くる社交的の快味であった...
夏目漱石 「長谷川君と余」
...もっと重々しい一つの門が厳然として立っていた...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...わたくしは――」と閑太郎は隊長に物言ふ兵士のやうに厳然と云ひ放つた...
牧野信一 「朝居の話」
...その馬鹿らしい世間が厳然として実在していると言う事実は...
三好十郎 「好日」
...日本の内部を形造っている厳然とした事実の中へ帰っていって...
横光利一 「旅愁」
...柵を通り、城門をくぐり、やがて中門へかかると、そこに家老の後藤将監と城士の精鋭級が、厳然と、白眼を揃えて、来る者を待っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...自己より偉大なるものが厳然と自己の上にある...
吉川英治 「宮本武蔵」
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