...体操の教官――ある陸軍大尉はいつも僕らには厳然としていた...
芥川龍之介 「追憶」
...厳然として獏鸚なるものは存在するのだ...
海野十三 「獏鸚」
...女王のごとくに冷然とし厳然としてさっきのままの姿で佇んでいる妻の前へ戻って来たかは...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...もちろん物理学の場合には自然という客観的存在が厳然として控えているから...
寺田寅彦 「物理学圏外の物理的現象」
...三千円はあらためて君にくれる」厳然として言い放ちつつ武男は膝の前なる証書をとってずたずたに引き裂き棄(す)てつ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...以前と同じように厳然と生きておるのじゃ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...ハスレルの胸像が一つ厳然と控えていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...厳然と頭を振った...
豊島与志雄 「二つの途」
...あらゆる職業以外に厳然として存在する一種品位のある紳士から受くる社交的の快味であった...
夏目漱石 「長谷川君と余」
...厳然と睨(にら)みつけていた...
本庄陸男 「石狩川」
...」と先生は厳然として答へた...
牧野信一 「サロメと体操」
...判官のやうに厳然と端座して...
牧野信一 「痴想」
...少佐はやはり厳然としてつゞけた...
宮原晃一郎 「風変りな決闘」
...実際上は存在もしなかった「針路」や「清澄」を今更になってそれが厳然として存在していたかの様に言い作ることに依って...
三好十郎 「俳優への手紙」
...もはや美と醜とに煩わされない王土が厳然と在るのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...日本の内部を形造っている厳然とした事実の中へ帰っていって...
横光利一 「旅愁」
...秀吉の代りとして、そこにいよと命じられた小姓の加藤虎之助は、(主命もだし難く……)といわんばかりな顔して、迷惑を怺(こら)えながら、厳然と、両手を膝において坐っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...見も知らない怖い小父さんたちが、厳然と、清盛の左右に見えるので、今若も乙若も、母の膝へ爪を立てないばかりにしがみついていた...
吉川英治 「源頼朝」
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