...さつきの厳然たる態度は消えてしまつた...
芥川多加志 「四人」
...彼等が喋舌(しゃべ)ったの喋舌らぬの! そして五歳ばかりの子供も大きな大人のように厳然たる口のききようをした...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...さながらに厳然たる人格と心格を築き出します...
上村松園 「無表情の表情」
...部屋の鍵を持ちたまえ」帆村は厳然たる自信をもって...
海野十三 「蠅男」
...厳然たる事実なのだ...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...それどころか正子はもう厳然たる存在で...
壺井栄 「一つ身の着物」
...手前たちにかばえるもんか!」「ドミトリイ! すぐここから出て行ってください!」とアリョーシャが厳然たる声で叫んだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そして厳然たる様子でこのやせた二十歳の青年は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...すなわち花崗岩(かこうがん)と肥石灰漆喰(しっくい)とで作られ一尋(ひろ)八百フランもする底部と溝とを供えて下水道に至るまで広壮厳然たる昔の建築の代わりに...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...」テナルディエは厳然たる一瞥(いちべつ)をマリユスに投げた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...世間から蔑視されなかつたのは文壇以外に厳然たる社会上の地位があつた故である...
永井荷風 「来訪者」
...鎧櫃の厳然たる形は少しも崩れてはいない...
中里介山 「大菩薩峠」
...こうなると厳然たる鎧櫃そのものが判じ物のようになって...
中里介山 「大菩薩峠」
...そのK君なる人が突然! 朗かな然も厳然たる音声で...
牧野信一 「青白き公園」
...カエサルはただ厳然たる面持と毅然たる言葉のみをもってのぞんだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...但し揮毫の依頼はいかなる向きでも一人一品と厳然たる規定...
山本笑月 「明治世相百話」
...争う余地のない厳然たる事実である...
夢野久作 「甲賀三郎氏に答う」
...そんな厳然たる史実をとって...
吉川英治 「小説のタネ」
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