...これも序(ついで)ゆゑ申し上げ候へども、このお書置きを「ぐれごり屋」へ渡し候節、日本人の「いるまん」(役僧)一人、厳かに申し候は、総じて自害は切支丹宗門の禁ずるところに御座候間、秀林院様も「はらいそ」へはお昇り遊ばさるることかなふまじく候、但し「みさ」と申す祈祷(きたう)を奉られ候はば、その功徳(くどく)広大にして、悪趣を免れさせ候べし...
芥川龍之介 「糸女覚え書」
...それに一々同じ様な厳かで恭々しい会釈(えしゃく)が伴うのだから...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...厳かに剣の鞘を払い...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...そうして重苦しい切ない声で厳かに喋り出した...
谷崎潤一郎 「少年」
...頭巾を被った厳かな幻影を見た...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...そのとき厳かにつめたい彫像が急に美しい人になつて心もちはにかむやうにほほゑんだが「ただいまあかりを」とまたもとの彫像になつて暗がりのなかへ消えていつた...
中勘助 「銀の匙」
...その厳かな支配の下(もと)に立つ...
夏目漱石 「門」
...しかし厳かにも美しい夜...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...」「また謹厳か! 参るな――」「大概の運動家の晴れやかさなんてものは決つてゐるけど...
牧野信一 「女に臆病な男」
...」と先生が厳かにおつしやつた時...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...厳かにこれを収めた...
牧野信一 「冬の風鈴」
...白孔雀の扇を胸先に構へてゐるチタニア妃と厳かに同乗してゐる...
牧野信一 「変装綺譚」
...どこでも日を定めて厳かな祭が行われるのであった...
森鴎外 「魚玄機」
...彼女は犠牲を捧ぐるときのごとく厳かなり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...君長(ひとこのかみ)反耶(はんや)の命を受けた一人の使部(しぶ)は厳かな容姿を真直ぐに前方へ向けながら...
横光利一 「日輪」
...厳かに云い出した...
吉川英治 「源頼朝」
...卑怯なまねはなされまいぞ、其許(そこもと)も、江戸の名捕手(めいとりて)塙大先輩ともいわれる人物のご子息ではないか」凛(りん)として、厳かなことばが、郁次郎の動作を、ぴたっと抑えた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...そして、厳かな声で、私を恥じ入らせるだろう...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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