...私の方へジロリと厭味な視線を投げました...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...無遠慮な厭味は年来耳に馴れているので尚お静(じっ)と耐(こら)えて...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...それで彼は厭(いや)々ながら辛抱した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...厭はしい一日の課業をすませて家へ帰つて遊ぶときにはお互の胸にいひしらぬ楽しさと慰めのあふれるのをおぼえた...
中勘助 「銀の匙」
...なぜ僕がこんな厭な奴になったのか...
夏目漱石 「明暗」
...いゝかげん厭になつてゐるンです...
林芙美子 「浮雲」
...――伊香保でお互ひさつぱりしてしまつた筈ぢやないのかい?」「厭よ...
林芙美子 「浮雲」
...結婚をするといっぺんに厭(いや)になりそうな男だけれども...
林芙美子 「恋愛の微醺」
...それと君交換して呉れないか?」「厭だなア!」と彼は...
牧野信一 「スプリングコート」
...その子の名前を平気で仇名で呼んでゐるのが厭に太々しく顧みられたりしました...
牧野信一 「月あかり」
...厭といふほど背中をどやされてしまつたんだ...
牧野信一 「武者窓日記」
...平生人間を大別して好きな人間と厭な奴...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...仔牛が厭(あ)きて頭をぶらぶら振ってゐましたら向ふの丘の上を通りかかった赤狐(あかぎつね)が風のやうに走って来ました...
宮沢賢治 「黒ぶだう」
...いちど亭主と一緒になつたものを跡を追つてあるいてゐるやうな厭な思ひをさせられたので...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...私のように妙に物に厭うように引っ込んでばかりいるのです...
室生犀星 「後の日の童子」
...厭(いや)でも或る物を土台にしなくてはならない...
森鴎外 「かのように」
...」「わたくし厭(いや)...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...厭(いと)う風(ふう)であった...
吉川英治 「新書太閤記」
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