...狭き階段を上り給うの労を御厭い無之候わば...
愛知敬一 「ファラデーの伝」
...その風流と言われるのが可厭(いや)さに...
泉鏡花 「遺稿」
...そんなに厭だと言うならと思うんです...
伊藤左千夫 「春の潮」
...「わたしは隨分厭(いや)な穢(きたな)い國に行つたことだつた...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...ただちょっとした禁厭(まじない)でございますから...
田中貢太郎 「指環」
...何うしても厭だといふ高慢さがあくまで募つてきて...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...弟は姉と一緒に歩くのが厭なような風をして...
徳田秋声 「足迹」
...私達はブルヂヨウア気分は厭だけれど...
徳田秋聲 「歯痛」
...「それよりもあのお婆さん厭なことを一つ言つたんです...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...外套のポケットのなかのケースをさぐりながら厭な顏をした...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...風を厭(いと)うて障子を締めきり...
中里介山 「大菩薩峠」
...――ほかの事だって厭(いや)でさあ...
夏目漱石 「行人」
...藤八 (厭な顔を隠して)お留守です...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...」「さうかね……」「髪の毛が、厭に赭かつたり、眼玉が菓子のやうに青いのも、一寸は興味があるが、よくよく眺めてゐるとなんとなく人間離れがしてゐるやうな気がしたり、此奴どんなことを思つてゐるか? なんていふ気がして、薄気味悪くなつてくるぜ...
牧野信一 「或る日の運動」
...水火も厭はず……ムニヤムニヤ/\...
牧野信一 「親孝行」
...「面を見るのも厭だア、あゝ厭だ/\...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...しこうしてその文字の中には胸裏に蟠(わだかま)る不平の反応として厭世(えんせい)的または嘲俗(ちょうぞく)的の語句を見るもまた普通のことなり...
正岡子規 「曙覧の歌」
...厭(きら)われることになるだろう...
吉川英治 「親鸞」
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