...分厚いどんちょうの端からたれ下がっているひもを...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...なんだか厚い原書が開かれてあり...
海野十三 「階段」
...窓には厚い織り物のカーテンがしめきってあって...
江戸川乱歩 「大金塊」
...「ちょっと私はもっと厚い靴にはきかえてきますよ...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...寄生虫の部厚い専門書を借り出して見た...
中谷宇吉郎 「ジストマ退治の話」
...また新しい厚い敷蒲団と...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...ハムレットの正覚は厚い雲の中から月が顔をだすように非常に徐々に緩慢(かんまん)に進行して...
久生十蘭 「ハムレット」
...一寸もある厚い板の扉をとおしてあの人の耳へはいりはしないかとひやひやした...
平林初之輔 「オパール色の手紙」
...日中は古ぼけた建物の厚い鎧戸をすっかりしめて昼の光をさえぎり...
平林初之輔 「ヂユパンの癖とヴァンスの癖」
...私は一冊のぶ厚い洋書をぬき出した...
平林初之輔 「秘密」
...糸杉はもっと厚い黒っぽいいい色だそうです)(3ノ二)この人の絵をほかにおめにかけましたろうか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...厚い石壁が忽(たちま)ち聳え...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...厚い友情を裏切ろうとするのであるか...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...百姓共に手厚い賃銀を取らせて追返すと...
夢野久作 「名娼満月」
...」千鶴子も好奇心に満ちた笑顔でベンチの背を撫でてみたり組み合った八ツ手のようなマロニエの厚い繁みを仰いだりした...
横光利一 「旅愁」
...土産物のハンドバッグを持ち財布の厚い金具をぴちりと立てて...
横光利一 「旅愁」
...一家中でも彼がもっとも義理人情に厚い人物だと云って...
横光利一 「旅愁」
...そして燈臺の厚いガラス板に嘴を打ちつけては下に落ちた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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