...しかも河童は皮膚の下によほど厚い脂肪を持っているとみえ...
芥川龍之介 「河童」
...「これだけ厚い金属のかべでとりかこみ...
海野十三 「火星兵団」
...いかに厚い氷にとざされても大丈夫だとうけあわれていたのに...
海野十三 「大空魔艦」
...厚い板戸をギーッと開いてくれました...
江戸川乱歩 「大金塊」
...雪を孕(はら)んで寂然(ひっそり)とした夜の厚い空気を顫(ふる)わせて...
橘外男 「生不動」
...黄(きい)ろな頬の肉の厚いちょいと因業(いんごう)らしい婆さんですよ...
田中貢太郎 「雪の夜の怪」
...私宛に倫敦の下宿から厚い封書が届いている...
谷譲次 「踊る地平線」
...休茶屋(やすみぢやゝ)の女房(にようぼ)が縁(ふち)の厚い底の上(あが)つたコツプについで出す冷酒(ひやざけ)を...
永井荷風 「すみだ川」
...マリヤンはちょっとてれたように厚い脣(くちびる)を綻(ほころ)ばせたが...
中島敦 「環礁」
...厚い錫の茶碗の中に...
萩原朔太郎 「ラムネ・他四編」
...厚いアルバムが出ると...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...あぐらをかいたような鼻と獅子噛(ししが)んだ厚い唇からくるので...
久生十蘭 「キャラコさん」
...数年前予が今この文を草し居る書斎に対して住みいた芸妓置屋の女将が愛翫したカジカ蛙が合掌して死んだは信心の厚い至りと喋々(ちょうちょう)して...
南方熊楠 「十二支考」
...厚い木綿に着ぶくれた膝の辺を一層もじもじさせて此方を視ているれんの様子は...
宮本百合子 「或る日」
...若い人には珍しいほど人情の厚い方ですよ」「いちど会ってみたいものだ」「きっとお話が合うと思います」「どうだろう」客は興を唆られたというように...
山本周五郎 「新潮記」
...分厚い白木の棺の蓋を開きますと...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...せいぜい美食をしていただきたいもので」「じゃあ……」と馬春堂の厚い唇がワナワナとふるえて...
吉川英治 「江戸三国志」
...おまけに厚い唇から涎(よだれ)をたらして...
吉川英治 「新・水滸伝」
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