...誰に一厘の厄介もかけることはできないと思い定め...
上村松園 「わが母を語る」
...この浮世三分五厘と脂下って世間を茶にする江戸作者の洒落(しゃらく)な風は江戸の文化に親しむものの大部分が浸染していたので...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...五厘銅貨をとるとらないの問答である...
種田山頭火 「行乞記」
...小麦からの一束(ひとたば)五厘に対し...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...一錢一厘の問答を試みて侠禪を飜弄せり一錢一厘の問答...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...身はこう毛より軽しという言葉の内容をはきちがえ一銭五厘ぐらいに我を評価していたんだろう...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...卯平(うへい)は藁屑(わらくづ)と一つに投出(なげだ)してある胴亂(どうらん)から五厘(りん)の銅貨(どうくわ)を出(だ)してやるのが例(れい)であるが...
長塚節 「土」
...一銭一厘たりとも好悪によって支配さるべきではない...
夏目漱石 「文芸委員は何をするか」
...一銭五厘返しておこう...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...五厘(りん)をくれる人もあった...
新美南吉 「最後の胡弓弾き」
...三之助とて八歳(やつ)になるを五厘(ごりん)学校に通はするほどの義務(つとめ)もしけれど...
樋口一葉 「大つごもり」
...分厘(ふんりん)の價値(ねうち)も無(な)しと...
樋口一葉 「たけくらべ」
...ポケットに落し込んで見ると一厘の隙もなくピッタリと膨みと合う...
久生十蘭 「魔都」
...貧苦にめげない煮焚(にたき)の業(わざ)の片手間に一枚三厘の襯衣(シャツ)を縫(く)けて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...まずい字で経木へ一本五厘...
正岡容 「寄席」
...男が二円二十二銭一厘の実収をもっていた時...
宮本百合子 「新しい婦人の職場と任務」
...現に警察当局でもそうした主張の真実性を厘毫(りごう)も疑っていない次第です...
夢野久作 「少女地獄」
...俺がお前の今の名前を書いた一銭五厘(りん)の葉書をタッタ一枚奮発しさえすれば...
夢野久作 「継子」
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