...五厘刈にした丸顔の可愛いい少年だった...
海野十三 「人体解剖を看るの記」
...其決算の模樣は先月末の如く觀世撚で縛つた十露盤を文太郎が持つと春三郎は「何錢何厘也」と「也」の字を附けて讀上げた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...やつと五厘銅貨で納めたが...
種田山頭火 「行乞記」
...「お気の毒」(一厘銭の異名)にしてからが莫大の実価である...
中里介山 「大菩薩峠」
...夫子の云われる所は九分(ぶ)九厘(りん)まで常に謬(あやま)り無き真理だと思う...
中島敦 「弟子」
...卯平(うへい)は默(だま)つて五厘(りん)の銅貨(どうくわ)を投(な)げた...
長塚節 「土」
...たとい一分(ぶ)一厘(りん)でも...
夏目漱石 「こころ」
...鶉豆(うずらまめ)を一銭五厘買いましたと精密なる報告をするんだね...
夏目漱石 「琴のそら音」
...一本五厘の焼鳥なんだイ」たまりかねて七分がらみ詰めていたお客たちがドーッと笑い崩れた...
正岡容 「寄席」
...帰れ帰れ」いきなり一座の五厘らしい男が...
正岡容 「寄席」
...」なるほどとみんなはよろこんでそのけむりのようなかびの木を一人が三十三本三分三厘ずつ取って...
宮沢賢治 「カイロ団長」
...中身の本文を裁断(舶来機械で中央へ穴をあけること)して売ると一冊分が二厘五毛位にしかならないが...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...○百合は百分中蛋白質三分三厘余...
村井弦斎 「食道楽」
...鉱物質八厘二毛あり...
村井弦斎 「食道楽」
...郷土の料理を郷土の七厘で煮るということは...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...父は亡くなるまで天保銭が八厘であることを知らないでしまったという気楽人であったから...
柳田国男 「故郷七十年」
...厩橋(うまやばし)は元は私設で、幅二間ばかりの貧弱な木橋、本所側の橋詰に番小屋があって橋銭を取ったが、徒歩者は二厘、人力車は五厘ずつ、長い竹竿の先へ目ざるをつけて、ぬッと差しだす、客は車の上からそれへ入れる、といった工合...
山本笑月 「明治世相百話」
...ソノ節分家ノ系図証文道具等、与右衛門ニ渡シ、其後九郎兵衛請取、コノ人耕作勝手ニ付、宮本ヨリ十町バカリ下ヘ罷リ出、農人仕リ居リ候とあるから、かなり成人の後、離郷したことは明らかで、なお同書の記事を史実とするならば、武蔵浪人ノ節、家ノ道具十手三(みくさり)、嫡孫左衛門ニ渡シ置候由、六十年以前ニ九郎兵衛時代ニ焼失――ともあるし、また、武蔵、武者修業ニ出立ノ時、森岩彦兵衛、中山村ノ鎌坂ニテ見送ル時、武蔵突キタル杖ヲ森岩ニ与ヘテ離別ヲ告グ木剣ナリ長サ三尺五分、厚ミ一方ハ四分五厘、一方ハ二分五厘、正中ニ稜アリ、コヽニテ厚サ五分、上下共ニ端円ニシテ首尾同ジ、枇杷ノ木ニテ黒シ...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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