...ほんの一厘の差で乾燥無味に陥って終(しま)うのである...
伊藤左千夫 「歌の潤い」
...「九分九厘までこれは策略ですから...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...一銭五厘の忠告者(アドヴァイサア)にとって皮肉ではないか...
辰野九紫 「青バスの女」
...皿(さら)一枚をさげて森川町(もりかわちょう)へ五厘の糊(のり)を買いに行ったりした...
寺田寅彦 「どんぐり」
...メートル制の一キロワット昼間用は自家用五銭に対して会社五銭八厘...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...今や毫厘の猶予も為し難いと見たから「分け!」これは一心斎の独断で...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...「さうら」と卯平(うへい)は後(あと)から五厘(りん)の銅貨(どうくわ)を庭(には)へ投(な)げてやつた...
長塚節 「土」
...種(たね)ものが二錢(せん)五厘(りん)であつた...
夏目漱石 「門」
...見ると彼の足の下には一切れ二銭三厘に相当する鮭の骨が泥だらけになって転がっている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...親分の言つたことが一分一厘違はず當つたんだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...親分の言ったことが一分一厘違わず当ったんだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...自分の存在は九分九厘は遊んでいるのさ...
二葉亭四迷 「私は懐疑派だ」
...此のマチネーも六分五厘位の入り...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...当らなかつたつて一銭五厘の損だ...
北條民雄 「癩院記録」
...月々の生活の費用や學資を一錢五厘間違ひもないやうに書き留めてゐるのだがね...
正宗白鳥 「孫だち」
...むろんそうだとも……初めから一分一厘ノンセンスものじゃないんだから安心して聞き給え...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...勿論、相州物で、刀身二尺四寸、幅九分一厘、肉二分というから、実物は見ないが、なかなか業物(わざもの)らしい...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...九分九厘までは……という破目になっておるのだ...
吉川英治 「夏虫行燈」
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