...やれやれと思って棍棒を卸すてえとぐらぐらと目が眩(まわ)って其処へ打倒(ぶったお)れた...
徳田秋声 「躯」
...一の鳥居に近いところで駕籠を卸すのを見定めた七兵衛が...
中里介山 「大菩薩峠」
...竜之助の首筋に剃刀を当てて後ろに撫で卸すと...
中里介山 「大菩薩峠」
...大きな円い袋の中へ風を孕(はら)ませて空から卸すと...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこへ鍬を卸すことは...
中里介山 「大菩薩峠」
...今となって人間道に引卸すなんては罪だよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...すぐ新聞を膝から卸すと...
夏目漱石 「それから」
...どさりと尻(しり)を卸す音が手に取る様に聞えた...
夏目漱石 「それから」
...方々の家で大戸を卸す音がする...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...錨を卸すのでございました...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...多町の青物市場へ卸すほどの白と青との色美しき大根積上げた船が見られなくなつたとて...
正岡容 「大正東京錦絵」
...私はそのいづれであるかを構はず私に與へられた席に腰を卸すであらう...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...豚の三枚肉を杉箸(すぎばし)が通るほどに湯煮(ゆで)て一寸四角に切って水一升に酒一合味淋(みりん)一合位な割で五時間ほどよく煮て火から卸す一時間も前に醤油を多く入れて煮詰(につ)めるのだ...
村井弦斎 「食道楽」
...或時は二階から本を索(なわ)に繋(つな)いで卸すと...
森鴎外 「渋江抽斎」
...衣を卸すといふやうな意味から轉じて...
森林太郎 「當流比較言語學」
...牡猿(篩を取り卸す...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...おせんの店のほうが問屋で卸すより安いので...
山本周五郎 「柳橋物語」
...……ドッカリと廻転椅子に腰を卸す音がした...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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