...臙脂(えんじ)色の鼻緒(はなお)の草履(ぞうり)も卸したばかりだった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...窓を開いてじっと見ていると、三人連れは段々小さくなって遂に岩蔭に隠れてしまったが、待つ程もなく、舟着場の方から一艘(そう)の帆前船(ほまえせん)が、帆を卸したまま、私の眼界へ漕ぎ出して来た...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...日蔭を選んで腰を卸していたけれど...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...セーヌ左岸のラテン区(カルチェ・ラタン)の一下宿に行李を卸して...
辰野隆 「二人のセルヴィヤ人」
...「実は庄治(しょうじ)が金を卸して...
徳田秋声 「仮装人物」
...どこでもようございますから卸して下さいませ」苦しさのあまりにお君はこう言って訴えました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「なんといういい心持なことだ」釣瓶を卸して二杯三杯汲み上げては...
中里介山 「大菩薩峠」
...決してあなた様の棚卸しなんぞを...
中里介山 「大菩薩峠」
...表の柱と柱との間にはおろし戸が一枚づゝ卸してあるのでなかは薄闇い...
長塚節 「菠薐草」
...遠く和歌山の方までも卸しをする餅である...
長塚節 「松蟲草」
...大一番の海老錠(えびぢやう)を卸してありますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...棚卸しのときに残品を見れば...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...木も無く雜草も無く美しき草夥しく生ひ出でて色々の花を著けたるにしばし見とれたる少女は籠を卸し熊手を捨てゝ終に花の上に坐りぬ...
正岡子規 「花枕」
...書卸しの我童に及ばず...
三木竹二 「明治座評」
...よく煉(ね)れたと思う時分に火から卸してパイ皿があれば結構ですし...
村井弦斎 「食道楽」
...小さい四辻に担荷(かつぎに)を卸して...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...晩にまた卸してくれる...
森鴎外 「渋江抽斎」
...大いに驚きて取卸し検査したるに...
夢野久作 「少女地獄」
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