...妻は大きな溜息をして背の荷と一緒に赤坊を卸して胸に抱き取った...
有島武郎 「カインの末裔」
...仕立卸(したておろ)しの合(あい)トンビを初め...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...ドッカと腰を卸(おろ)すと...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
......
永井荷風 「書かでもの記」
...その重荷を卸(おろ)した心持になってしまったのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...佐治君は自分が椅子につくのを待つて漸く腰を卸した...
長塚節 「教師」
...荷物(にもつ)を路傍(みちばた)へ卸(おろ)す時(とき)彼(かれ)は屹度(きつと)縛(しば)りつけた手拭(てぬぐひ)の包(つゝみ)へ手(て)を掛(か)けて新聞紙(しんぶんし)の袋(ふくろ)のがさ/\と鳴(な)るのを聞(き)いて安心(あんしん)した...
長塚節 「土」
...繻子(しゅす)の模様も対(つい)とは思うが、日除(ひよけ)の白蔽(しろおい)に、卸す腰も、凭(もた)れる背も、ただ心安しと気を楽に落ちつけるばかりで、目の保養にはならぬ...
夏目漱石 「虞美人草」
...また役所などで上官が代れば部下の者が後任者を迎うるに前任者の棚卸(たなおろ)しをもってするは常にあることで...
新渡戸稲造 「自警録」
...店卸(たなおろ)しで忙しいとさ」これだけ話しているうちに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...昨夜は店卸しで、店の方がやけに忙(せわ)しかったので、気になりながら四五日こちらは見廻り兼ねておりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それから薄皮を剥(む)いて三枚に卸(おろ)して小骨を一々毛抜(けぬき)でよく取ります...
村井弦斎 「食道楽」
...それが出来ましたらベシン皿かあるいは丼鉢(どんぶりばち)へ先ず今の御飯を少し注(つ)いで摺り卸したチースを大匙一杯だけ振かけてまた御飯を注いでチースをかけて都合(つごう)四段にチースをかけてテンピの中で二十分間焼きます...
村井弦斎 「食道楽」
...欄干(らんかん)に倚(よ)って墨田川を見卸(みおろ)しつつ...
森鴎外 「余興」
...生きた鮒(ふな)と鯉の卸し値や...
山本周五郎 「季節のない街」
...これも仕立卸(したておろ)しと見える丸帯でグルグルグルと棒巻にしたまま...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...彦右衛門は外から錠(じょう)を卸(おろ)してしまった...
吉川英治 「新書太閤記」
...鋼卸(はがねおろ)しから研(と)ぎ上(あげ)まで...
吉川英治 「山浦清麿」
便利!手書き漢字入力検索