...妻は大きな溜息をして背の荷と一緒に赤坊を卸して胸に抱き取った...
有島武郎 「カインの末裔」
...やっと台所の静かになったのに胸を撫(な)で卸したことがありました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...お庄は薄暗い隅の方のベンチに腰を卸(おろ)しながら...
徳田秋声 「足迹」
...肩揚げも卸(おろ)したり...
徳田秋声 「黴」
...こうして錠を卸しておくのでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...「ア、痛ッ、骨が砕ける……重てえ、卸(おろ)せ、卸せ」と苦しがって叫びました...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこへ鍬を卸すことは...
中里介山 「大菩薩峠」
...錨を卸すのでございました...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...先づ第一に「卸(おろ)しけり」といふ詞(ことば)の意味がわからんので...
正岡子規 「病牀六尺」
...もし「おろしけり」の代りに「荷を卸す」といふやうな結句を用ゐたならば...
正岡子規 「病牀六尺」
...砂の上へ行李を卸(おろ)して腰かけて休んで居た...
正岡子規 「病」
...私は先日碾茶(ひきちゃ)のアイスクリームを余所(よそ)で御馳走になった事がありますがあれはどうして拵(こしら)えます」お登和嬢「あれはクリーム二合へ粉砂糖大匙四杯入れて一旦(いったん)沸立(にた)たせて火から卸(おろ)した時碾茶を大匙に二杯ばかり外のクリームでよく溶いてツブツブのないようにしておいて...
村井弦斎 「食道楽」
...天城の山葵は卸したものを醤油へ入れても粘着力が強くって容易に散らない...
村井弦斎 「食道楽」
...本所横網町の鈴木方に行李(こうり)を卸した...
森鴎外 「渋江抽斎」
...戸なんぞは6625堅く錠を卸して置いたのに...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...彼等が「江戸ッ子」という集団を作って江戸の町々に根を卸(おろ)して...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...ソロソロと腰を卸(おろ)したのであったが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...鉄の卸問屋の次女である千鶴子は金銭に不自由がないとはいえ...
横光利一 「旅愁」
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