...世に喧伝(けんでん)せられる考説のうちに却ってこういうものが少なくないように見うけるのである...
津田左右吉 「日本上代史の研究に関する二、三の傾向について」
...この予め決っている結論が却って自分に必要と思われる通りの推論を動機する...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...却って或る意味に於ける客観的な実体であり...
戸坂潤 「科学論」
...今では却って私自身反対しなければならぬような見解も含まれている...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...却って文芸批評などに見られないような本当の批評が最近世間から盛んに要求されているということを...
戸坂潤 「思想としての文学」
...却って割安であったりするので...
火野葦平 「糞尿譚」
...却って自己の存在の根拠を自覚し...
三木清 「哲学入門」
...却っていわゆる世界がそれにおいてある世界であり...
三木清 「哲学入門」
...却って経験を基礎付けるもの...
三木清 「哲学入門」
...却って歴史において...
三木清 「哲学入門」
...行為するとは却って意識から脱け出すことである...
三木清 「哲学入門」
...その附近はそこに近いが却って不便で...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...却ってこの子の仕合せになるかもしれない...
山本周五郎 「柳橋物語」
...却って彼はその大きさだけ元気を恢復したといっても良い...
横光利一 「旅愁」
...当然、死を覚悟していたにちがいない山澄六蔵は、却って、急に度を失っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...「詫びには及ばぬ」秀吉は却って...
吉川英治 「新書太閤記」
...青木――丘子のコンビがハッキリすればするほど……私もねたましいとは思いながら……それでも却ってあとに残った私と諸口さんの二人が接近するであろう...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
...却って後までもハッキリした思い出になってくれるものである...
蘭郁二郎 「植物人間」
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