...却って委曲を尽し得べしとさえ考えらるるのである...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...却って他の人々に被害をおよぼすことさえある...
石川欣一 「山を思う」
...却って大いに焚(た)きつけてやりました...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...却って既知の・既成の・軌道から見れば...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...出来るならば却って一切の範疇をそこに於て統一的に理解せしめるような根本的な関係にぞくさねばならぬ***...
戸坂潤 「科学方法論」
...そして現代的価値に於ける芸術的なものに対応しては却って政治的なものが...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...審議会の中心は却ってこの調査局にあることは明らかだが...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...特に絶縁とか又は却って接触とかいう一定の連関が之又一つの条件として設定されねばならぬのであって...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...存在の中心が客観的な対象物にあるのではなくて却って主観の内にあるのだという新しい哲学的発見のことだというのであって...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...絶対媒介の方は却って一つの徹底味を意味しているようである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...却って相互扶助をなしうる処の生物に他ならない...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...この表象が実在の模写ではなくて却って自己の表現だとも考えられる処によく出ている...
戸坂潤 「思想としての文学」
...国粋主義の横行は実は却って「国粋」の〔危機〕を物語るインデックスに他ならないわけで...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...却って著るしく感情的になり...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...そのために却って心の一途さがくみとれます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...却って御心労をかけるような事に相成りまして面目次第も御座いませぬ...
夢野久作 「暗黒公使」
...却って味方の諸将に不平をいだかせましょう」と...
吉川英治 「三国志」
...病みもしつらん、老いもしつらん、などと案じていたが、思いのほか、却って、若やぎて見ゆる...
吉川英治 「新書太閤記」
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