...却って僕は迷わされたかも知れない...
江戸川乱歩 「黒手組」
...それは却って新しい生活の障害となるのみである...
津田左右吉 「日本精神について」
...撓めるだろう(撓めずに却って矯める場合もあるが)...
戸坂潤 「科学論」
...寧ろ却って文芸の内にこそ...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...お袋と姉とは台所へ退却した...
永井荷風 「深川の散歩」
...蹲んでゐることは却て熱苦しかつた...
中原中也 「耕二のこと」
...俗務のために没却(ぼっきゃく)されない...
新渡戸稲造 「自警録」
...いや却って美点をもっている人間が...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...結婚は唯快楽の一方のみと思い却て苦労の之に伴うを忘れて...
福沢諭吉 「新女大学」
...却てつねに發展の過程にある現實的なる理論を理解すべきである...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...却て物質と精神とは止揚されて全體の人間性そのものが解放されるのである...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...千百年来地方人心の中点たり来たりし神社を滅却するは...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...よくなるどころか却って熱なども段々上り気味になって来た...
宮本百合子 「黒馬車」
...その醇朴さが却って ばつの悪いほど辱しめられるのをも眺めて来た...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それからの煮方は略式の通りだが出来上ったら火から鍋を卸して地の上へ置いて一旦冷却してイザ食べようという時に再び煮て出すのだ...
村井弦斎 「食道楽」
...脱却する気分であるらしい...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...現在は主たる收入は却つて石斫りの勞働から期待せられて居る...
柳田國男 「瀬戸内海の島々」
...却(かえ)って大拡張をする方針を取った...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
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