...正義等は悉(ことごと)く多数者の為に没却せられてしまふ...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「少数と多数」
...吠えながらじりじり退却することもある...
太宰治 「畜犬談」
...却つてこれを補ふことができるほど大きなものである場合...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...却ってそうした仮定を検証するかのようなものとしての擬装の下に...
戸坂潤 「思想としての文学」
...却ってああいう形式主義的な合理主義は流行らないが...
戸坂潤 「社会時評」
...却って科学乃至哲学を常識的に処理するものでしかない...
戸坂潤 「哲学の現代的意義」
...伯は此の武器に依て却つて政權より遠かつたのである...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...自我脱却の崇高なる頂...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...何一つ青江を責めるもののないのに却って不安になり...
豊田三郎 「リラの手紙」
...田園の昼の静けさは夜よりも却て若いものゝ心を刺戟するにちがひはない...
永井荷風 「畦道」
...生じい親切気を残したのが却って彼の為に毒となったようだ...
中里介山 「生前身後の事」
...哲學は特に勝れたる徹底的なる意義におけるかくの如き忘却術である...
波多野精一 「時と永遠」
...却て具體的なる人間の存在と現實的に交渉するものを意味したことであり...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...却てもともと事實の歴史性のことである...
三木清 「歴史哲學」
...木は却(かえ)って小さくなったようだ...
宮沢賢治 「虔十公園林」
...却いて福島一渡尻内幾古内等を保有す...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...其(その)傑作は却(かへつ)て白耳義(ベルジツク)その他(た)の国に散在して居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...こっちは却って厄のがれをしてほくほくものでした...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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