...即ち支那をこの累卵(るいらん)の危うきに救うべく一日の猶予もならぬ時である...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...君子は危うきに近よらずという...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...『君子危うきに近よらず』と申します...
小泉八雲 田部隆次訳 「ろくろ首」
...まれに山木に往来する時もなるべく危うきに近よらざる方針を執りけるに...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...人の急を救うために危うきを冒(おか)さねばならぬ義理合いがあるというわけでもなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...束(つか)の間に危うきを貪(むさぼ)りて...
夏目漱石 「薤露行」
...「かくてあらば」と女は危うき間(ひま)に際どく擦(す)り込む石火の楽みを...
夏目漱石 「薤露行」
...対(むか)える人の身の上に危うき事あり...
夏目漱石 「薤露行」
...誘う風にも砕くる危うきを恐るるは淋(さび)しかろう...
夏目漱石 「薤露行」
...二人の運命はこの危うき刹那(せつな)に定(さだ)まる...
夏目漱石 「虞美人草」
...三蔵の危うき都度怯えている)三蔵 あッ...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...全滅の危うきに瀕(ひん)しています!」と...
吉川英治 「三国志」
...恩人の危うきにつけこんで...
吉川英治 「三国志」
...荊州は滅亡の危うきに瀕(ひん)している...
吉川英治 「三国志」
...先帝玄徳からの直臣(じきしん)や忠良の士もすくなくないとはいえ、遠隔の蛮地で、五十万が屍(かばね)と化し、孔明すでにあらずと聞えたら、成都の危うきは、累卵(るいらん)のごときものがある...
吉川英治 「三国志」
...魏を危うきへ押しこむようなものです...
吉川英治 「三国志」
...危うき橋はすぐ繕(しつ)らえ置けよ――と大声にて触れつつ走れ」「はいっ」右端から二十人は...
吉川英治 「新書太閤記」
...幸兵衛に「危うき場所」(これがすでに剣道の達人に矛盾する)を救われるためである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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