...」「卯年よの...
芥川龍之介 「妖婆」
...今ヤ彼女ハ卯木家ニ於テ確乎タル地歩ヲ占メルニ至リ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...F市の大学病院に入つたと云ふ話も耳にしたが、ある時、卯女子、竜一、軍治の三人が何気なく墓地から降りて来ると、行きがけには閉つてゐた二階の障子が開いて、見ちがへる程青ざめた彼が上半身を窓から乗り出し、いきなり叫びかけた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...勘次(かんじ)には卯平(うへい)は畏(おそ)ろしいよりも其(その)時(とき)では寧(むし)ろ厭(いや)な老爺(おやぢ)に成(な)つて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...只(たゞ)卯平(うへい)と二言(ふたこと)三言(みこと)いつてもうどうでも好(い)いといふ態度(たいど)で出(で)て行(い)つた...
長塚節 「土」
...一時(じ)に激(げき)した落葉(おちば)の火(ひ)はそれが久(ひさ)しく持續(ぢぞく)されなくても老衰(らうすゐ)した卯平(うへい)の心(こゝろ)を奪(うば)ふには餘(あま)りあつた...
長塚節 「土」
...おつぎはそれから又(また)泣(な)いて居(ゐ)る與吉(よきち)と死骸(しがい)の如(ごと)く横(よこた)はつて居(ゐ)る卯平(うへい)とを見(み)た...
長塚節 「土」
...平生(いつも)のおつぎは勘次(かんじ)との間(あひだ)を繋(つな)がうとする苦心(くしん)からの甘(あま)えた言辭(ことば)が卯平(うへい)の心(こゝろ)に投(とう)ずるのであつた...
長塚節 「土」
...夜が明けてからだったそうですよ」「お前がここへ来たのは?」「卯刻(むつ)半(七時)そこそこで」「血は凝(かた)まっていたかい」「膠(にかわ)のように乾きかけていましたよ」「殺したのは宵だな...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...もはや祖父卯兵衛は物故し...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...方角は寅(とら)と卯(う)の境あたりに取った...
本庄陸男 「石狩川」
...一家心中などをする気になったのだろう」「わかりませんな」と卯兵衛はあっさり答えた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...「あの孝庵という医者はここへ寄らなかったろうか」「寄りました」と卯兵衛は顔をしかめた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...向うは卯木(うのき)の生垣をまわして...
山本周五郎 「おばな沢」
...やがて正成以下、一団となって、雨もいとわず、卯木と元成を、送り出して来た...
吉川英治 「私本太平記」
...おかしい程でございますの」「卯木……」ふと...
吉川英治 「私本太平記」
...あいにくな折に」卯木は...
吉川英治 「私本太平記」
...それに卯木の子の...
吉川英治 「私本太平記」
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