...卯(う)の花や縅(おど)し毛ゆらり女武者としるせりとぞ...
泉鏡花 「一景話題」
...十一日、乙卯、晴、阿闍梨公暁鶴岳別当職に補せらるるの後、始めて神拝有り、又宿願に依りて、今日以後一千日、宮寺に参籠せしめ給ふ可しと云々...
太宰治 「右大臣実朝」
...居間で軍治は久し振りに会つた姉の卯女子と話し合つてゐた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...勘次(かんじ)とおつぎとが晝餐(ひる)に歸(かへ)つて來(き)た時(とき)に卯平(うへい)は居(ゐ)なかつた...
長塚節 「土」
...「爺(ぢい)とつてやんべか」暫(しばら)くして與吉(よきち)は卯平(うへい)の顏(かほ)を覗(のぞ)くやうにしていつた...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)は村落(むら)に歸(かへ)つてから往年(むかし)の伴侶(なかま)の間(あひだ)へ再(ふたゝ)び加(くはゝ)つて念佛衆(ねんぶつしゆう)の一人(にん)になつた...
長塚節 「土」
...狹(せま)い戸口(とぐち)は與吉(よきち)の小(ちひ)さな身體(からだ)でさへ卯平(うへい)の藁(わら)をいぢつて居(ゐ)る手(て)もとを薄闇(うすぐら)くした...
長塚節 「土」
...然(しか)しながら卯平(うへい)は只(たゞ)獨(ひと)り其(その)群(むれ)に加(くは)はらなかつた...
長塚節 「土」
...彼(かれ)は與吉(よきち)が狹(せま)い戸口(とぐち)に立(た)つ毎(ごと)に心(こゝろ)から迎(むか)へる以前(いぜん)の卯平(うへい)ではなくなつて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)は目(め)を蹙(しが)めた...
長塚節 「土」
...俺(お)ら作日等(きのふら)見(み)てえぢやどうすべと思(おも)つたつきや」おつぎは掛蒲團(かけぶとん)を四(よ)つにして卯平(うへい)の裾(すそ)へ置(お)いた...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)は其(そ)の蹙(しが)めるやうな目(め)で微(かす)かに點頭(うなづ)いた...
長塚節 「土」
...寶暦九年己卯(きばう)三月十六日」...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...その卯木が、どこにも見当りませんので」「ああ、それでか」「どこへでも行きおれと、山門から、突きとばされましたが、一時とて行くアテはなし、家内の安否も知れませぬので、もしやまだ寺内ではないかと、覗き歩いていたわけでございますが」「そうかい、では、見つからないはずだよ、雨露次さん」「えっ?」雨露次はすぐ、色をかえて...
吉川英治 「私本太平記」
...卯木(うつぎ)が...
吉川英治 「私本太平記」
...卯木と元成は、人目だたぬ葭簀(よしず)がこいを見て入った...
吉川英治 「私本太平記」
...ただ御自身の卯月より...
吉川英治 「新書太閤記」
...明日の卯(う)の刻(こく)の旅立ちを考えていた...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索