...美き名今日しも、卯月宵やみに、十六夜薔薇(いざよひうばら)香(か)ににほふ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...現に侯が田口卯吉氏に請ふに政友會に入らむことを以てするや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...欲(ほ)しけりや幾(いく)らでも持(も)つてけ」卯平(うへい)は不器用(ぶきよう)ないひ方(かた)をしながら煎餅(せんべい)をとつて遣(や)つた...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)は例(れい)の如(ごと)く豆腐(とうふ)でコツプ酒(ざけ)を傾(かたむ)けて來(き)て晩餐(ばんさん)を欲(ほつ)しなかつた...
長塚節 「土」
...勘次(かんじ)は一日(にち)の仕事(しごと)を畢(を)へて歸(かへ)つて來(き)ては目敏(めざと)く卯平(うへい)の茶碗(ちやわん)を見(み)て不審(ふしん)に思(おも)つて桶(をけ)の蓋(ふた)をとつて見(み)た...
長塚節 「土」
...滅多(めつた)ねえ味(あぢ)のもんだから」おつぎが先刻(さつき)藏(しま)ふことを勘次(かんじ)に促(うなが)されてもおつたの手前(てまへ)を憚(はゞか)つた樣(やう)にして其(そ)の儘(まゝ)にして置(お)いた牛肉(ぎうにく)の鑵詰(くわんづめ)の一つをおつたは卯平(うへい)へやつた...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)は凝然(ぢつ)と腕(うで)を拱(こまね)いた儘(まゝ)眼(め)を蹙(しか)めて燃(も)え退(の)いた薪(まき)をすら突(つ)き出(だ)さうとしなかつた...
長塚節 「土」
...女房(にようばう)が死(し)んだ時(とき)は卯平(うへい)は枕元(まくらもと)に居(ゐ)なかつた...
長塚節 「土」
...ちろちろと鐵瓶(てつびん)の尻(しり)から燃(も)えのぼる火(ひ)は周圍(しうゐ)の闇(やみ)に包(つゝ)まれながら窶(やつ)れた卯平(うへい)の顏(かほ)にほの明(あか)るい光(ひかり)を添(そ)へた...
長塚節 「土」
...――卯刻(むつ)半前に八五郎は叩き起されました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...アメリカ領事館書記官A・ボルトメンが倒壊寸前の徳川幕府当局から江戸横浜間の鉄道利権を取った日付は慶応三年丁卯(ていう)十二月二十三日...
服部之総 「黒田清隆の方針」
...と卯平の精悍(せいかん)な顔にちらと悲しげな影がすぎたが...
火野葦平 「糞尿譚」
...山里の卯の花垣の夕月夜しのび音(ね)もらす時鳥(ほととぎす)かな平凡になりたれどかへつて原作の細工を施したるにまされりと存候...
正岡子規 「人々に答ふ」
...卯女子もしっかりした娘になって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...霞亭は己卯四十歳にして既に阿部家の禄を食(は)んだ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...彼はあわてて身を這うように伏せて、「卯木」と、もいちど呼んだ...
吉川英治 「私本太平記」
...それにまた、卯木の身には、西華門院にいた頃から、すでに妊娠の兆があった...
吉川英治 「私本太平記」
...郷土史家の吉永卯太郎氏や古老をさがして...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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