...右から左から縦から横から八方から只見(とみ)うこう見て卯(う)の毛で突いたほどの隙もないまでに考え詰めてからでないと何でも実行出来なかった...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...畑(はたけ)の境には雪の様に卯(う)の花が咲きこぼれる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...天保十四年癸卯(きぼう)夏...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...卯平(うへい)は澁(しぶ)り切(き)つた顏(かほ)で迎(むか)へた...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)は窪(くぼ)んだ目(め)を蹙(しが)めて一種(しゆ)の暖(あたゝ)かな表情(へうじやう)を示(しめ)して與吉(よきち)の後姿(うしろすがた)を見(み)た...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)の目(め)を憚(はゞか)る樣(やう)にしてさつさと唐鍬(たうぐは)を擔(かつ)いで出(で)て行(ゆ)く...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)は横臥(わうぐわ)した儘(まゝ)でおつぎが喚(よ)んだ時(とき)に來(こ)なかつた...
長塚節 「土」
...「爺(ぢい)」と卯平(うへい)の蓆(むしろ)に近(ちか)づいてそつと膝(ひざ)をついた...
長塚節 「土」
...(中略)明応四年乙卯(いつぼう)八月 日沙弥 奉正任左衛門尉 同武明五六 経済学経済学は...
穂積陳重 「法窓夜話」
...卯女と康子は電車の停留場のところまで折角来たのにそこからもどってしまったのが残念でした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...行坊、あのメチニコフのところの伸一郎、あの看護婦さんだったバラさんが二日にデコ坊を生みましたし、ほかの友達のところで最近一人生れるし、既に二人の女の子がいるし、林町、中野卯女、康子、ターンその他、無慮十二人は私にお人形だの犬だの猫だのを思い出せるのですもの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...逍遙院実隆(さねたか)の享禄辛卯(八年)の抄本が即是である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...千早ふる卯月八日は吉日よ...
柳田国男 「年中行事覚書」
...太夫元は大阪の吉田卯之助氏...
山本笑月 「明治世相百話」
...馴れッこだ」「卯平ってえ...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...卯木の縁故(えんこ)さきを洗って行った...
吉川英治 「私本太平記」
...覚一は、声をめあてに、「卯木さまとやら」「はい」答えたとき、卯木は初めて、その息子が、盲人であるのに気がついて、胸が緊まった...
吉川英治 「私本太平記」
...河合卯之助氏や京阪間の史蹟研究家の数氏から教えられるところが多かったが...
吉川英治 「随筆 新平家」
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