...春の卯月(うつき)の贈物...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...五日、癸卯、霽、鶴岳の別当公暁、宮寺に参籠して、更に退出せられず、数ヶの祈請を致され、都て以て除髪の儀無し、人之を恠しむ、又白河左衛門尉義典を以て、大神宮に奉幣せんが為、進発せしむ、其外諸社に使節を立てらるるの由、今日御所中に披露すと云々...
太宰治 「右大臣実朝」
...文化四丁卯(ていぼう)の歳創製する所という)を創成せしより以来...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...夫婦(ふうふ)と乳呑兒(ちのみご)と三人(にん)の所帶(しよたい)で彼等(かれら)は卯平(うへい)から殼蕎麥(からそば)が一斗(と)五升(しよう)と麥(むぎ)が一斗(と)と...
長塚節 「土」
...以前(いぜん)の卯平(うへい)であればさういふ味(あぢ)が普通(ふつう)で且(かつ)佳味(うま)く感(かん)ずる筈(はず)なのであるが...
長塚節 「土」
...おとつゝあ」さういつておつぎは小走(こばし)りに卯平(うへい)の小屋(こや)へ行(い)つた...
長塚節 「土」
...彼(かれ)はもう卯平(うへい)と一言(ひとこと)も口(くち)を利(き)かなくなつた...
長塚節 「土」
...麩味噌(ふすまみそ)で佳味(うま)かねえが今(いま)ぢやそんでもお汁(つけ)は吸(す)へるこた吸(す)へんのよ」卯平(うへい)は自分(じぶん)の手柄(てがら)でも語(かた)るやうないひ方(かた)であつた...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)は少(すこ)し開(ひら)いた戸口(とぐち)から其(そ)の小(ちひ)さく蹙(しが)めた目(め)で外(そと)を見(み)た...
長塚節 「土」
...お前は」お燗番の卯八は飛付きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...電車道の人家の庭には白い卯(う)の花(はな)がしだれて咲いている...
林芙美子 「田舎がえり」
...夢中で錨を還すその錨(いかり)を切(きっ)たと云うことは清水卯三郎(しみずうさぶろう)が船に乗(のっ)て見て居たばかりで薩摩の人は多分知らない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...「我思古人」の印には、「己卯小春日、天池」といふ款がある...
堀辰雄 「我思古人」
...卯花(うのはな)に尼...
正岡子規 「俳諧大要」
...斎は二年己卯に京都へ往つた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...十五日卯(う)の下刻に...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...「あいつには手をあげました」卯兵衛はうんざりしたように云った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...卯(う)の花おどしの具足を着...
吉川英治 「新書太閤記」
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