...如上(うへのごとき)文人の作なほ未(いま)だ西欧の評壇に於ても今日の声誉(せいよ)を博する事能(あた)はざりしが...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...彼女は誰だって自分でない他人が民衆の人気を博することには賛成しなかった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...地方では物価の安値ということが信用を博する唯一の手段であるけれども...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...それゆえ東京人の喝采を博するには...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...大小方円の見さかいもつかないほどに頭が悪いおかげで大胆な実験をし大胆な理論を公にしその結果として百の間違いの内に一つ二つの真を見つけ出して学界に何がしかの貢献をしまた誤って大家の名を博する事さえある...
寺田寅彦 「科学者とあたま」
...吾々がしたくてたまらないが実際はなかなか容易に出来ないと思うような事をやって見せれば大衆の喝采を博するのだそうである...
寺田寅彦 「烏瓜の花と蛾」
...しからばすなわちなにゆえに平民主義はその全勝を今日に博するあたわざるか...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...今日に及んでなお世界万邦の艶羨(えんせん)喝采(かっさい)を博するゆえんのものは...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...正常・妥当な真理としてさえ信用を博すのが常である...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...顧ふに是れ自由黨の黨勢を擴張するに於て多少の成功を博するに足るの一手段たりしは疑ふ可からずと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...固より華族の代表者として内外の信用を博するに足るは言ふを俟たざるのみならず彼れは日本華族の改革者として最も力を此に致たしつゝあるは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...今一度名誉を博する機会を得ようと思ふのである...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...ついには大川を凌(しの)ぐ盛名を博するに至ったのである...
浜尾四郎 「黄昏の告白」
...白分の機知の成功で実にたやすくみんなの喝采(かっさい)を博することができたろうに...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...非常の辛苦を要しながら存外に喝采(かっさい)を博すること能はざればその覚悟なかるべからず...
正岡子規 「俳諧大要」
...尊敬と人望とを博することを心得ていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...ついには今日の如くただ大衆の笑を博することを...
柳田国男 「年中行事覚書」
...村人の信用を博するために骨を折っている一種の哀れむべき自家広告術ぐらいのものであろう...
夢野久作 「眼を開く」
便利!手書き漢字入力検索