...亭主を世界中の唯一人として愛するものだと単純に極めて了って...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...――単純に徹すること...
種田山頭火 「一草庵日記」
...単純に物を見ることがどうして出来よう...
田山花袋 「蒲団」
...と(この際技術という言葉を単純に手法とか技法とかという意味に取っておく)...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...単純に排他的に固定化されて対立する...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...端初を単純に抽象的なものと規定して了う...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...実はそう単純にはこの関係は出来ていない...
戸坂潤 「思想としての文学」
...いかにも単純に……! クリストフの精神には...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それは素人がいかに単純に娯楽としてやるにしても盤上の利害と勝負を無視することはできないからであろう...
中勘助 「独り碁」
...これを単純に割りきっているように見える...
中谷宇吉郎 「ピーター・パン」
...こんな時には複雑な人間が非情に単純になるもんだ...
夏目漱石 「坑夫」
...単純にむかむかして来た...
本庄陸男 「石狩川」
...宮城氏には面識があるようにも思ふが、その宮城氏と、この作者とが同じ人なのか、名前の方の記憶がなかつたりして、甚だおぼろげな程度であつて、それ故、この感激は、全く単純に、「樫の芽生え」なる一作に依るのみの、たゞ、それだけのことであるのだ...
牧野信一 「「樫の芽生え」を読みて」
...単純にかんちがい納得ちがいをしたのです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...これは単純にそんな心持がするというのみで...
柳田国男 「山の人生」
...恋愛問題などといっても単純に説明はつかない...
山本周五郎 「陽気な客」
...いくさを意気だけで勝てるとする単純にまではなりきれぬ尊氏でもある...
吉川英治 「私本太平記」
...武蔵はまだ、茶道を知らず、茶味なども解さなかったが、単純に、「美味い!」と思わず口をついて叫ぶほど、水のうまさというものを、今朝は感じた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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