...すこぶる単簡(たんかん)な面白い巡査である...
夏目漱石 「永日小品」
...女は単簡(たんかん)にまた私の納得(なっとく)できるように答をした...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...今考えて見るとやっぱり得策だったんでしょうか」などと聞くたびに院長は「ええまあそうです」ぐらいな単簡(たんかん)な返答をした...
夏目漱石 「行人」
...面倒や迷惑の起り得ないほど単簡(たんかん)で淡泊(たんぱく)なものであった...
夏目漱石 「行人」
...先生は単簡(たんかん)にただ「ええいらっしゃい」といっただけであった...
夏目漱石 「こころ」
...純文学と云えばはなはだ単簡(たんかん)である...
夏目漱石 「作物の批評」
...図柄(ずがら)としては極(きわ)めて単簡(たんかん)な者である...
夏目漱石 「子規の画」
...(この場合においてもこれは犬なりというのはもっとも単簡なる形式を撰(えら)んだものであります)...
夏目漱石 「創作家の態度」
...其間に平岡から四遍程極めて単簡な質問を受けた...
夏目漱石 「それから」
...けれども斯う単簡に聞かれたときに...
夏目漱石 「それから」
...ああ単簡至極(たんかんしごく)に片づこうとは思わなかった...
夏目漱石 「長谷川君と余」
...この洋杖は竹の根の方を曲げて柄(え)にした極(きわ)めて単簡(たんかん)のものだが...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...おれは単簡に当分うちは持たない...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...叔母さんの方でもそう単簡(たんかん)に済まされないんでしょう」といつにない世帯染みた事を云った...
夏目漱石 「門」
...迷亭が「馬鹿だよ」と単簡(たんかん)に送籍君を打ち留めた...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...単簡(たんかん)なる猿股を発明するのに十年の長日月を費(つい)やしたのはいささか異(い)な感もあるが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...単簡明瞭な事件なんだが……...
夢野久作 「近眼芸妓と迷宮事件」
...そしてなお一通の単簡な手紙を書き...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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