...ちょっと南京虫はいそうなれど...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...やむを得ずに南京虫に喰われた跡などを数えて時を過しています...
大杉栄 「獄中消息」
...まず南京虫との妥協が何とかつかなければ駄目だ...
大杉栄 「獄中消息」
...首のまわりに二十幾カ所という最初の晩の南京虫の手創を負うたまま...
大杉栄 「獄中消息」
...直ぐと南京虫がちくちく螫(さ)しに来るので...
薄田泣菫 「茶話」
...吾ながら愛相がつきまして……」店員は南京虫のやうにそこらの手さげ鞄かシヤツの縫ひ目に潜り込んでしまひたいやうな表情(かほつき)をした...
薄田泣菫 「茶話」
...曽根は警察の留置所でくわれた南京虫(なんきんむし)のあとが...
相馬泰三 「六月」
...南京虫(ナンキンむし)やで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...あなたは南京虫よ...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...その卑劣漢で南京虫にすぎないおれのために...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...「南京虫其他寄生虫の無之事を証明候也」という珍妙なもので...
豊島与志雄 「浅間噴火口」
...虱や南京虫を擦りつぶした血のあとが壁にこびりつき...
久生十蘭 「ノア」
...ただの一匹でも南京虫が俺を刺したが最後...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...そしてマヤコフスキーの「南京虫」を見物したが...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...私は南京虫にくわれると実にひどくてアンモニアをつけてやっとしのぎました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...マヤコフスキーに「南京虫」(クロプイ)という劇があって、現在はどこにでもいるクロプイが、或る時代には全く標本しかいなくなって、南京虫、ネップ、ビュロクラートみんな標本として博物の教室で学生が観察する芝居がありました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...舞台に大きい張りものの南京虫が出て来るのでした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...南京虫(ナンキンむし)!」赤と青の角燈の光が...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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