...突然南の空より一塊の火の玉...
井上円了 「おばけの正体」
...一晩かかって南の空を秋田境の連山までゆるゆるとわたる...
高村光太郎 「山の秋」
...南の空が幽(かす)かに赤かった...
太宰治 「服装に就いて」
...縁側から見ると南の空に珍しい積雲(せきうん)が盛り上がっている...
寺田寅彦 「震災日記より」
...東南の空は今真闇である...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...南の空(そら)に赤い大紙鳶(おおだこ)が一つ(あが)って居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...南の空に高く、左から順にほゞ同じ位の間隔をおいて竝んでゐるのは、土星(ザトウルン)と木星(ユウピテル)と火星(マルス)とであらう...
中島敦 「かめれおん日記」
...南の空が怪しい温か味を潮したかと見る間に...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...南の空に火の粉がボーボー舞い上って...
西尾正 「陳情書」
...宮内は南の空から東へ...
長谷川伸 「討たせてやらぬ敵討」
...暗かった空は次第に南の空から晴れて来て...
火野葦平 「糞尿譚」
...「おぬしはどう思う?」甚助は笠のひさしをあげて乾いた路(みち)のあちらに西南の空を見あげるのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...南の空に紅雲の蟠るを眺めてはヒイヒイと声を上げて泣き続けて来たのである...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...櫻の梢は立派な寄木を遠い南の空に組み上げ私はたばこよりも寂しく煙る地平線にかすかな泪をながす...
宮澤賢治 「うろこ雲」
...一月二十九日〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕一月二十九日 第九信きょうの風のひどさ! 二階の南の空は正に黄塵万丈です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
......
横瀬夜雨 「花守」
...南の空を見つつ歩いた...
吉川英治 「私本太平記」
...南の空地に向いている小門を叩(たた)けと仰っしゃった...
吉川英治 「源頼朝」
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