...卒然と後(うしろ)をふり返った...
芥川龍之介 「沼地」
...卒然としてこの改定案を示し...
芥川龍之介 「文部省の仮名遣改定案について」
...彼は卒然として思い起した...
梅崎春生 「記憶」
...僕は卒然として昨日の野呂の言葉を思い出した...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...およそ天下の人情を察することができる」正造は卒然とつぶやいたが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...卒然とこえをひそめて辞意を洩らした...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...北支事変の発生によって政治的な挙国一致なる儀礼が卒然として社会的に発生し得るということのメカニズムは...
戸坂潤 「挙国一致体制と国民生活」
...卒然と君の眼の中に...
富永太郎 「警戒」
...それで卒然として立ち上ったものですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...すると、平岡は急に様子を変えて、落ち付かない眼を代助の上に注いだが、卒然として、「そりゃ、僕も疾(と)うから、どうかする積りなんだけれども、今の所じゃ仕方がない...
夏目漱石 「それから」
...この一刻の幸(ブリス)から生ずる永久の苦痛がその時卒然として...
夏目漱石 「それから」
...暗中に卒然として白刃を見る思があった...
夏目漱石 「門」
...卒然と後を追うのをやめてしまったのも...
久生十蘭 「泡沫の記」
...このとき卒然と思い知った...
久生十蘭 「ノア」
...――ルイスヒェンのイは卒然と彼の口から消えて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...卒然として價値の顛倒が齎された...
森田草平 「「青白き夢」序」
...卒然と立ってその部屋を出た...
山本周五郎 「日本婦道記」
...卒然とみな色を失った...
吉川英治 「私本太平記」
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