...卒然としてこの改定案を示し...
芥川龍之介 「文部省の仮名遣改定案について」
...彼は卒然として思い当った...
梅崎春生 「狂い凧」
...僕は卒然として昨日の野呂の言葉を思い出した...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...淋しい大きな空の翼はから鳴りを發し忽ち日を蔽ふやうに暗くなり卒然として舞ひ下り深淵はそこに開け...
千家元麿 「自分は見た」
...卒然として古典の思想と現代とを結びつけるのが無意味であることは...
津田左右吉 「日本精神について」
...卒然として機関説排撃運動へと戦線統一を企てることが出来るようになった...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...卒然として神秘的なテーゼを持ち出して来る...
戸坂潤 「思想としての文学」
...その問題は「卒然として答えるにはあまりに多岐多端なことであるから...
中谷宇吉郎 「露伴先生と科学」
...卒然として容赦なく食道を逆(さか)さまに流れ出た...
夏目漱石 「思い出す事など」
...此一刻(いつこく)の幸(ブリス)から生ずる永久の苦痛が其時卒然として...
夏目漱石 「それから」
...この両人(ふたり)が卒然と交(まじわり)を訂(てい)してから...
夏目漱石 「野分」
...暗中に卒然として白刃を見る思があった...
夏目漱石 「門」
...怪しげな幽光に包まれながら卒然と浮かび上って来たのは...
久生十蘭 「魔都」
...さしもの鈍物が卒然としてさめた...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その時に筆者は卒然として問うた...
夢野久作 「近世快人伝」
...卒然とみな色を失った...
吉川英治 「私本太平記」
...おのれの身についているにおいというものは、誰でも自分には分らないものに違いないが、武蔵はそういわれて、卒然と、自分の影にこびりついている妖気と血なまぐささに気づいた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...するとそれを傍らで聞いていた城太郎は、身の毛をよだてたように、卒然と、愕(おどろ)きを顔にみなぎらして、「沢庵さま...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索