...甚だ浅薄な卑近なものの外にはない...
大隈重信 「政治趣味の涵養」
...そうすると「けり」という文語体の切字は極めて卑近な「でした」という口語体の助辞ということにすぎないのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...そのため私はここにいま少し「写生」ということを卑近な方法として説明してみようと思います...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...私が卑近な平易な句作法をお話しいたしたことは...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...共感を生ぜしめた卑近なきっかけの一つになったのは前にも幾度となく...
太宰治 「惜別」
...それだけのきわめて卑近な簡単な一例から考えても...
寺田寅彦 「蒸発皿」
...この卑近な幸福を自覚する僥倖(ぎょうこう)を持たないに相違ない...
寺田寅彦 「鑢屑」
...卑近な例で言えば...
外村繁 「澪標」
...更に卑近な方面では...
豊島与志雄 「大自然を讃う」
...結局それには筆を常に一定速度で動かすというのが一番卑近な便法のように思われた...
中谷宇吉郎 「字の書き方」
...それからもっと卑近な平凡なことで...
中谷宇吉郎 「清々しさの研究の話」
...いわば卑近な問題だと...
中谷宇吉郎 「風土と伝統」
...かく社会が倫理的動物としての吾人に対して人間らしい卑近な徳義を要求してそれで我慢するようになって...
夏目漱石 「文芸と道徳」
......
牧野信一 「卓上演説」
...どうです「あわない」でしょう? もっと卑近な...
三好十郎 「恐怖の季節」
...こういう卑近な私の行為の中にそれを見出すのには...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...最初はおそらくは是も至って卑近なる...
柳田国男 「木綿以前の事」
...極めて卑近な、この両者を比較するだけでも、その差から生ずる、末ひろがりの対立関係は、かなしいほど救い難い...
山本周五郎 「山彦乙女」
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