...ところが現在の卑近なる文明は絶対の利己主義に陥った...
大隈重信 「始業式に臨みて」
...私は自分の田舎者の憂鬱から完全に解放されるというまことに卑近な原因もあったようである...
太宰治 「惜別」
...共感を生ぜしめた卑近なきっかけの一つになったのは前にも幾度となく...
太宰治 「惜別」
...もちろん若いころには免れ難い卑近な名誉心や功名心も多分に随伴していたことに疑いはないが...
寺田寅彦 「科学と文学」
...それだけのきわめて卑近な簡単な一例から考えても...
寺田寅彦 「蒸発皿」
...ごく卑近な一例を取るとして...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...こういう卑近な習俗から段々と高次の習俗になると社会生活が発達しまたは発達しようとするにも拘らず...
戸坂潤 「思想としての文学」
...卑近な誤解を招き易い...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...例えば卑近な一事を挙ぐれば...
豊島与志雄 「私の信条」
...而も文学をやつて来た以上それを描きもしなければならぬといふ極く卑近な理由からしてともかく象を描かうといふ場合...
中原中也 「撫でられた象」
...それは単に得になるというような卑近な意味ではなく...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...結局それには筆を常に一定速度で動かすというのが一番卑近な便法のように思われた...
中谷宇吉郎 「字の書き方」
...卑近な一例を取れば...
波多野精一 「時と永遠」
...どうです「あわない」でしょう? もっと卑近な...
三好十郎 「恐怖の季節」
...実際次の卑近な実例の中にも...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...我々に最も卑近な経験...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...全体に卑近な着想で...
柳田国男 「木綿以前の事」
...極めて卑近な、この両者を比較するだけでも、その差から生ずる、末ひろがりの対立関係は、かなしいほど救い難い...
山本周五郎 「山彦乙女」
便利!手書き漢字入力検索