...今日のすべての社会は卑近なことが発達して来たのである...
大隈重信 「政治趣味の涵養」
...それを常識としてほめたたえるのだろうか? 最も卑近な常識は眠っている人間の意識であり...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...歌の方では卑近な百人一首から例をとってみますと...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...そのため私はここにいま少し「写生」ということを卑近な方法として説明してみようと思います...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...然(しか)し斯(こ)んな卑近な珍本は買っても買わなくてもいいが...
辰野隆 「愛書癖」
...それだけのきわめて卑近な簡単な一例から考えても...
寺田寅彦 「蒸発皿」
...卑近なものでもなかったであろう...
寺田寅彦 「備忘録」
...たとえその事自身が卑近な感覚的なものでなくてもなんだか一種の不安を感じる場合が多い...
寺田寅彦 「丸善と三越」
...その他の高尚なる目的とこの卑近なる生活の職業はつねに離るべからず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...こういう卑近な習俗から段々と高次の習俗になると社会生活が発達しまたは発達しようとするにも拘らず...
戸坂潤 「思想としての文学」
...一番最初に當つて卑近な小乘教を説いて...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...かく社会が倫理的動物としての吾人に対して人間らしい卑近な徳義を要求してそれで我慢するようになって...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...人格のない作家の作物は、卑近なる理想、もしくは、理想なき内容を与うるのみだからして、感化力を及ぼす力もきわめて薄弱であります...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...卑近な一例を取れば...
波多野精一 「時と永遠」
...古代から人の口に傳はつて來た卑近な物語を佛教的に換骨脱胎したのである...
松本文三郎 「世界に於ける印度」
...卑近な商工業用とともに武士階級に必要なるものも説かれている...
三上義夫 「和算の社会的・芸術的特性について」
...実際次の卑近な実例の中にも...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...攘夷論は毒を以て毒を制するということができますか」「もっと卑近な例がある...
山本周五郎 「新潮記」
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