...彼は卑近な趣味を持っている...
...その作品には卑近な感覚が表現されている...
...卑近な言葉遣いは避けた方が良い...
...卑近な問題でも根本的な解決策が求められる...
...子供たちにも分かるように、卑近な言葉で説明しよう...
...そうすると「けり」という文語体の切字は極めて卑近な「でした」という口語体の助辞ということにすぎないのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...そのため私はここにいま少し「写生」ということを卑近な方法として説明してみようと思います...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...音楽に酔うというのは卑近に言えば酒に酔うというよりも...
高村光太郎 「触覚の世界」
...そうして得た洞察の成果を最も卑近な最も分りやすい方法によって表現したように思われる...
寺田寅彦 「烏瓜の花と蛾」
...その他の高尚なる目的とこの卑近なる生活の職業はつねに離るべからず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...それは何か卑近なトリヴィアルな日常茶飯事に関係したものと考えられなければならないからである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...卑近な誤解を招き易い...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...――芸術といふものが、卑近な意味では、屡々女性的なものだとせられ、甚だしくは論理を無視する処から発生するとさへ考へられるにも拘らず、実は、芸術くらゐ論理的な謂はゞ男性的な性格と環境とを必要とするものはないやうに思はれる...
中原中也 「詩と現代」
...而も文学をやつて来た以上それを描きもしなければならぬといふ極く卑近な理由からしてともかく象を描かうといふ場合...
中原中也 「撫でられた象」
...それは単に得になるというような卑近な意味ではなく...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...きわめて卑近な希望...
中谷宇吉郎 「科学は役に立つか」
...もし文芸院がより多く卑近(ひきん)なる目的を以て...
夏目漱石 「文芸委員は何をするか」
...人格のない作家の作物は、卑近なる理想、もしくは、理想なき内容を与うるのみだからして、感化力を及ぼす力もきわめて薄弱であります...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...足利時代において日本の文明の分布が、前時代に比し、すこぶる普遍平均の度を加えたのは、これ一には当時における文化なるものが、藤原時代において上流社会の壟断(ろうだん)するところとなっておった文明に比べて、その典雅の度を減じて通俗になり、卑近になり、必ずしも上流者流の間にのみ限らなければならぬ底(てい)のものでなくなったことに基づくとはいいながら、なおそのほかに伝播力が藤原時代に比して大いに増加したということも、そのまた有力な一原因をなしている...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...古代から人の口に傳はつて來た卑近な物語を佛教的に換骨脱胎したのである...
松本文三郎 「世界に於ける印度」
...卑近なことばかりがおもしろい人にはわからないでしょうが」と左は言う...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...こういう卑近な私の行為の中にそれを見出すのには...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...極めて卑近な、この両者を比較するだけでも、その差から生ずる、末ひろがりの対立関係は、かなしいほど救い難い...
山本周五郎 「山彦乙女」
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