...彼の卑屈な性根を叩きのめし...
海野十三 「雷」
...つい卑屈なあいそ笑ひなどしてしまつて...
太宰治 「右大臣実朝」
...卑屈な手紙を書いているだけなのである...
太宰治 「鴎」
...既に卑屈な泣きべそみたいな顔になっている...
太宰治 「グッド・バイ」
...卑屈なほど柔弱(にゅうじゃく)な態度をとりはじめた...
太宰治 「畜犬談」
...人を見ると自分を叱るのではないかと怯(おび)える卑屈な癖が身についていて...
太宰治 「竹青」
...わずかに卑屈な誘導訊問(じんもん)みたいなものをおっかなびっくり試み...
太宰治 「人間失格」
...家に居ても学校に居る時と同じように全く卑屈な意気地なしと変って了った...
谷崎潤一郎 「少年」
...それらの卑屈なものを私は茲に持ち出すまい...
豊島与志雄 「月評をして」
...下劣卑屈な批評家たちから...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「ハア」「あんな卑屈な奴に……課長の腰巾着(こしぎんちゃく)……奴隷(どれい)……」「そんな……」「奴隷と云われても耻とも思わんような...
二葉亭四迷 「浮雲」
...噺の嫌いなお客に噺を頼んでつまり懇願して聞いてもらうという情ない卑屈な手法をまず覚えるべく余儀なくされてしまったが...
正岡容 「わが寄席青春録」
...卑屈なくらいのぎごちなさは全然なしに...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...卑屈なあやふやとで...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...クイントゥス・キケロの方はもっと卑屈な見方をしている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼に会うことを逡巡(しゅんじゅん)したり卑屈な弁解(べんかい)を考えてみたりする信長ではなかった...
吉川英治 「黒田如水」
...縁から科人(とがにん)のような卑屈な眼を俯(ふ)せて...
吉川英治 「親鸞」
...卑屈な隠しだては...
吉川英治 「源頼朝」
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