...彼の卑屈な性根を叩きのめし...
海野十三 「雷」
...正義のために獄に縛がれている者は神様だ」卑屈な彼等に...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...そう言っているような卑屈な頭のさげ方で...
高見順 「いやな感じ」
...ふっと夕刊一ぱいに無数の卑屈な笑顔があらわれ...
太宰治 「鴎」
...私自身の卑屈な弱さから...
太宰治 「市井喧争」
...と卑屈な猫撫声(ねこなでごえ)を発したのである...
太宰治 「善蔵を思う」
...そんな卑屈な事をするには及ばぬ...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...そこで、朝廷側の策士らは、卑屈な、尾張と越前との二つの親藩を通して、慶喜に「単騎上京」を命じた...
蜷川新 「天皇」
...「先生」と呼ばれている、山下組の玄関番のような、色の青い、猫なで声を出す、温厚で、卑屈な男である...
火野葦平 「花と龍」
...否な一刻も早くこの卑屈な旧慣を改め...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...噺の嫌いなお客に噺を頼んでつまり懇願して聞いてもらうという情ない卑屈な手法をまず覚えるべく余儀なくされてしまったが...
正岡容 「わが寄席青春録」
...卑屈なほど丁重に礼を言った...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...という単純な卑屈な心配もあった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...クイントゥス・キケロの方はもっと卑屈な見方をしている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その卑屈な微笑が...
山本周五郎 「薊」
...血のけのない壁土色のおもながな顔は小さく、いつも誰かに殴られるのを恐れているような、卑屈な、おどおどした眼つきをしていたし、人と話すときには、それがいっそう際立ってみえた...
山本周五郎 「季節のない街」
...卑屈なところは微塵(みじん)もないし...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...表には出し得ない卑屈な反抗を...
吉川英治 「新書太閤記」
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