...その結果愈(いよいよ)自分の卑しさを情なく思つた事も度々ある...
芥川龍之介 「枯野抄」
...同時にまた肉身の父を恥じる彼自身の心の卑しさを恥じた...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...3俺は此「完全の鏡」の前に立つて、自分の醜さ、小さゝ、卑しさ、穢さの覆ひ隱す可きものなきを切に感ずる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...俺は俺の品性の卑しさが堪らなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...「その表情の卑しさを見ろ!」渠はまたかう叫んで...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...高さ低さ清さ卑しさまでが明らかにこちらに傳播してくるのである...
高村光太郎 「書の深淵」
...あるいは人格の卑しさ...
太宰治 「恥」
...自分の卑しさを恥ぢないではゐられない...
種田山頭火 「其中日記」
...自分の卑しさ醜さを見せつけられた...
種田山頭火 「其中日記」
...或る事に於て自分の卑しさを見つけた...
種田山頭火 「松山日記」
...人格の卑しさとかに...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...新しい雇用店員階級の卑しさとを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...門弟にさえ持つようになった自分の心の卑しさを(意気地無しが――)と...
直木三十五 「寛永武道鑑」
...物質のキラビヤカさが人々の卑しさを刺戟するので...
中原中也 「生と歌」
...今の世の裸体画と云うはただかくさぬと云う卑しさに...
夏目漱石 「草枕」
...把捉(はそく)しがたい様々の世を渡つて、こゝに行きついた人間の、卑しさが、富岡には苦味(にが)いものでもあつたのだ...
林芙美子 「浮雲」
...彼等は自分の卑しさの一つさえも文学にする力量をもっていません...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...悪を恥ずるのもまた自らの卑しさを自ら恥ずるのであって...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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