...その結果愈(いよいよ)自分の卑しさを情なく思つた事も度々ある...
芥川龍之介 「枯野抄」
...同時にまた肉身の父を恥じる彼自身の心の卑しさを恥じた...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...それは彼等の好意を得ることにも何か彼等の権力に媚びる卑しさの潜んでいる為だった...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...同時にまた肉身の父を恥ぢる彼自身の心の卑しさを恥ぢた...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...俺は俺の品性の卑しさが堪らなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...あなたさまがお庇いになる者どもの卑しさとを...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...われわれの人格よりいかにはるかに澄明であることよ! われわれはそれらから何の卑しさをもまなばない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...高さ低さ清さ卑しさまでが明らかにこちらに傳播してくるのである...
高村光太郎 「書の深淵」
...貧しさと卑しさとは仲のよい隣同士であることを体験した...
種田山頭火 「行乞記」
...物をむさぼるのは心の卑しさがのぞけないからである...
種田山頭火 「其中日記」
...人を疑ひ人を虐げる卑しさがあるのだ...
種田山頭火 「其中日記」
...踏み入つてはならない場所へ踏み入つてしまつた!……何といふ卑しさ...
種田山頭火 「其中日記」
...物質のキラビヤカさが人々の卑しさを刺戟するので...
中原中也 「生と歌」
...把捉(はそく)しがたい様々の世を渡つて、こゝに行きついた人間の、卑しさが、富岡には苦味(にが)いものでもあつたのだ...
林芙美子 「浮雲」
...彼等は自分の卑しさの一つさえも文学にする力量をもっていません...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いつも物欲しそうに人の財布をのぞきこんでいるような飯尾さんの卑しさが嫌いだったからである...
矢田津世子 「父」
...にわかに浅薄な卑しさをあらわし...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...悪を恥ずるのもまた自らの卑しさを自ら恥ずるのであって...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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