...ベルナルドオが姫を得んと欲せしは卑陋(ひろう)なる色慾にして...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...それは単に得になるというような卑近な意味ではなく...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...卑しい召使の位置を生涯(しょうがい)の分と心得ているこの作と...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...それがすでに卑怯です...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...その精神の卑しいことは一層卑しくなるだろうと心配している...
新渡戸稲造 「今世風の教育」
...史家は卑怯であった...
蜷川新 「天皇」
...謙遜を裝うた卑屈や...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...卑屈(ひくつ)になるなと云った男の言葉がどしんと胸にこたえてきて...
林芙美子 「清貧の書」
...英雄的だったか卑怯だったか...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...隣りの國が卑しいから自分が尊いものだと斯う云へば...
福澤諭吉 「明治三十一年三月十二日三田演説會に於ける演説」
...」私は彼の卑怯性では従来再三ならず手を焼いた経験を持つてゐるので...
牧野信一 「酒盗人」
...雅語を解せざるがため知らず知らず卑近に流れたる者...
正岡子規 「俳人蕪村」
...その爲には彼はかなり手段を選ばない位にまで卑しくさへなつてゐる...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...男は卑屈に恐縮したが...
山本周五郎 「ちゃん」
...「そんなことは続かないぞ」と昂軒は同情するように云った、「町人や百姓どもなら、きさまの言葉に怯えあがるかもしれない、だが侍は違う、侍には侍の道徳がある、きさまの卑怯なやりかたに、加勢する者ばかりはいないぞ」「ためしてみよう」と六兵衛は逃げ腰になったままで答えた、「いざとなれば上意討の証書を出してみせるからね、それに、侍にだってそう武芸の達人ばかりはいないでしょう、たいていは私のように臆病な、殺傷沙汰の嫌いな者が多いと思う、私はそういう人たちを味方にするつもりなんだ」昂軒は顔を赤黒く怒張させ、拳をあげて、「卑怯者、臆病者、侍の風上にもおけないみれん者」などと罵(ののし)った...
山本周五郎 「ひとごろし」
...」一団の兵士は卑弥呼の傍へ押し寄せて来た...
横光利一 「日輪」
...「おのれ! 卑怯ッ」という不意なかすれ声に...
吉川英治 「江戸三国志」
...こんどは野卑な戯(ざ)れ口(くち)で果てしもない...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索