...あの半蔀(はじとみ)の間から...
芥川龍之介 「偸盗」
...半蔀几帳(はじとみきちょう)の屋内より出でて...
上田敏 「『新訳源氏物語』初版の序」
...建保六年の三月には、将軍家かねて御嘱望の左近大将に任ぜられ、六月二十七日にはその御拝賀のため鶴岳宮にお参りなさいましたが、その折の御行列の御立派だつたこと、まさに鎌倉はじまつて以来の美々しい御儀式でございまして、すでに御式の十日ほど前から京の月卿雲客たちが続々とその御神拝に御列席のため鎌倉へお見えになつて居られまして、二十日には、御勅使内蔵頭忠綱さまの御参著、かしこくも仙洞御所より御下賜に相成りましたところの、御拝賀の御調度すなはち檳榔、半蔀の御車二輛、御弓、御装束、御随身の装束、移鞍などおびただしく御ところにおとどけになられ、将軍家はいまさらながら鴻大の御朝恩に感泣なされて、御勅使忠綱さまに対して実に恭しく御礼言上あそばされ、御饗応も山の如く、この日にはまた池前兵衛佐為盛さま、右馬権頭頼茂さまなども京より御下著になり、このお方たちにもまたお手厚い御接待を怠らず、御式の日に至るまで連日連夜、御饗宴、御進物など花美を尽し、ために費用も莫大なるものになりました御様子で、関東の庶民は等しくその費用の賦課にあづかり、ひそかに将軍家をお怨み申した者も少からずございました由、風のたよりに聞き及んで居ります...
太宰治 「右大臣実朝」
...半蔀(はじとみ)の上の山深い五寸ばかりの空の色を横眼で眺めていると...
久生十蘭 「骨仏」
...窓には半蔀(はじとみ)がつき...
久生十蘭 「西林図」
...夕月の光のさしかける半蔀のほうをながめていたが...
久生十蘭 「西林図」
...横手の半蔀(はじとみ)から物干の方を見上げて見ると...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...三枚の半蔀(はじとみ)が嵌っていて...
久生十蘭 「魔都」
...半蔀を押し上げて見ると...
久生十蘭 「魔都」
...窓には半蔀の代りに低い忍返しが付いてい...
久生十蘭 「魔都」
...窓の外に吊された半蔀(はじとみ)を引き上げることもない日々がつづいた...
山川方夫 「菊」
...久しぶりに半蔀の板戸をかかげたのは...
山川方夫 「菊」
...そこの半蔀(はじとみ)の蔭まで来て...
吉川英治 「私本太平記」
...それは半蔀(はじとみ)の女房輦(にょうぼぐるま)であったが...
吉川英治 「源頼朝」
...梅壺の東おもての半蔀(はじとみ)をあげて斉信に逢い...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??