...「半玉のお茶漬けにしようかな」...
...「ラーメンは半玉でお願いします」...
...「半玉のお金が出てきた」...
...「うどんを半玉で注文することもできます」...
...「半玉の白米を炊くために、米を測ってください」...
...やつと半玉(はんぎよく)(軍艦では...
芥川龍之介 「猿」
...……活きたものは、いざとなると、どんな事をしようも知れない、可恐(おそろし)いようね、ええ?……――もう行(や)ってる、寝込(ねごみ)の御飯をさらって死人焼で目刺を――だって、ほほほ、まあ、そうね……いえね、それについて、お前さん――あなたの前だけども、お友だちの奥さん、京千代さんは、半玉の時分、それはいけずの、いたずらでね、なかの妹(お民をいう)は、お人形をあつかえばって、屏風(びょうぶ)を立てて、友染の掻巻(かいまき)でおねんねさせたり、枕を二つならべたり、だったけれど、京千代と来たら、玉乗りに凝ってるから、片端(かたっぱし)から、姉様(あねさま)も殿様も、紅(あか)い糸や、太白で、ちょっとかがって、大小護謨毬(ゴムまり)にのッけて、ジャズ騒ぎさ、――今でいえば...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...半玉の時じゃアあるまいし...
岩野泡鳴 「耽溺」
...鈴江という半玉(はんぎょく)みたいな女給が青い顔をして皆のところへやって来る...
海野十三 「電気看板の神経」
...六七人の芸者や半玉に取りかこまれて芝居の切符なんかやつてるところだが...
関根金次郎 「本因坊と私」
...半玉さんが二人である...
太宰治 「デカダン抗議」
...半玉の一人は、藤娘を踊った...
太宰治 「デカダン抗議」
...半玉でも持ちさうな懐中化粧函だの半衿(はんえり)だのを...
徳田秋聲 「或売笑婦の話」
...半玉と十余人の抱えの稼(かせ)ぎからあがる一万もの月々の収入も身につかず...
徳田秋声 「縮図」
...二晴代は芳町(よしちやう)で半玉から一本に成りたての頃から...
徳田秋声 「のらもの」
...旨そうな油の香を四辺に漂わしながらジウジウと音をさせている天ぷら屋の店頭に立っている半玉のすんなりした姿はこの上もなく明るいものに見られた...
富田木歩 「小さな旅」
...年を秘(かく)している半玉(はんぎょく)などによく見られるような...
永井荷風 「ひかげの花」
...順当に行ったところで半玉から芸者になるべき運命の下(もと)に生れた女だから...
永井荷風 「ひかげの花」
......
正岡容 「大正東京錦絵」
...芸者半玉を引き連れたお大尽連が絶えなかった...
正岡容 「寄席」
...その下駄の音であれは半玉だな...
宮城道雄 「音の世界に生きる」
...第一は最初から生活難の背景、又は商売的の意味を持ったもので、男性では俳優その他の芸人、外勤員、祈祷師、各種の治療師、活弁、呉服屋、ボーイ等の男淫売式(サイドビジネス)? の「不良」、又女性ならば職業婦人の第二職業、女優、女給、芸者、半玉、魔窟の女なぞが発揮するアレである...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...おそらくは鏡花が鏡花調を凝らして飽かなかった仲の半玉や姐さん姿も並んだであろう...
吉川英治 「紅梅の客」
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