...半天(はんてん)の腰を屈(かが)めながら...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...ぢぢむさく髭(ひげ)の伸びた馬子半天(まごばんてん)が...
芥川龍之介 「鼠小僧次郎吉」
...唐桟の半天を羽織つた男は...
芥川龍之介 「鼠小僧次郎吉」
...火炎高く昇れるが、火炎の中に数十条の赤線直上し、その末火花となりて、半天に四散し、下界の煙火などには見られざる壮観を呈するに、酒ますます味を加う...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...前方(むこう)を見ると高い山が半天にそそりたっていた...
田中貢太郎 「続黄梁」
...いざや人物の観察にても始めんと目を見開けば隣りに腰かけし印半天(しるしばんてん)の煙草の火を借らんとて誤りて我が手に火を落しあわてて引きのけたる我がさまの吾ながら可笑しければ思わず噴き出す...
寺田寅彦 「東上記」
...その半天にオリオンが三つ星を中心に斉整の大臥像を横たえ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...悪沢岳の銀の兜めがけて、大流星、半天をつんざき、異様な血紅色の光輝を、ほとばしらせて落つ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...半天の裾にブラ下るものもあつた...
葉山嘉樹 「万福追想」
...群れを離れて田中の正太が赤筋入りの印半天...
樋口一葉 「たけくらべ」
...黒(くろ)八の襟(ゑり)のかゝつた新(あた)らしい半天(はんてん)...
樋口一葉 「たけくらべ」
...半天(はんてん)の襟(ゑり)の觀光(くわんくわう)が糸(いと)ばかりに成(なり)しを淋(さび)しがる思(おも)ひ...
樋口一葉 「われから」
...吉里が着て行ッたお熊の半天が脱ぎ捨ててあり...
広津柳浪 「今戸心中」
...時見風箏泝半天...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...照見銀糸垂半天...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...半天に浮び出でたる凱旋塔の神女の像...
森鴎外 「舞姫」
...古半天を裏返しに着て素足にわらじばき...
山本笑月 「明治世相百話」
...巌石(がんせき)峨々(がが)として半天に聳(そび)ゆる崑崙山脈に攀(よ)じ登って...
夢野久作 「狂人は笑う」
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