...半ばは妻に話しかけたりした...
芥川龍之介 「蜃気楼」
...彼女は屋敷の殆んど半ばを占める野菜畑へ出て雑草をむしったり...
犬田卯 「沼畔小話集」
...」と、人のいゝ、半ばかの女中は、そのきたならしい小犬をだいじにだき上げながら聞きました...
鈴木三重吉 「小犬」
...警部の半ば禿(は)げかかった広い額と...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...そのときは十二月ももう半ばであった...
高見順 「如何なる星の下に」
...十一月の半ばであつた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...八月の半ばすぎで...
徳田秋声 「黴」
...帰って来なくちゃならない……」アリョーシャは半ば気が違ったもののように叫び続けた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...アントアネットは半ばうとうととしては...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...」と彼は独語のように半ば口の中で言った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...いつ出かけるつもりだ」「来月の半ばに下田を出る仏蘭西(フランス)の船があるから...
中里介山 「大菩薩峠」
...半ばその激情にかられて筆を進めるからです...
中里介山 「大菩薩峠」
...口惜しさに半ば泣きながら渾身の力を以て体当りを試みたが...
中島敦 「南島譚」
...お前はもっと生きなければならんぞ」と彼は半ば自分をいたわるように独(ひと)り言(ご)ちた...
堀辰雄 「菜穂子」
...その葉も半ばは散っていて何の風情もこれなく...
牧野富太郎 「植物記」
...五月下旬の半ば解けた雪の間から...
柳田国男 「雪国の春」
...その背後には角ばつた二三の屋根が半ば見え隱れてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...そんな事も、あり得ない事とは云えぬな」一族の中にすら、半ば、信じる者があったりした...
吉川英治 「源頼朝」
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