...網床めくものを結び付けたる中に半ば裸なる賤夫(ラツツアロオネ)のいと心安げにうまいしたるあり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...言ふものの半ば御多分に漏れない...
泉鏡花 「お花見雜感」
...それでも一年半ばかりの間は...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...午後の日影に半ば照された北浦が手に取るやうに見えた...
田山録弥 「船路」
...模造日本橋は跡方もなくなって両側の土堤も半ば崩れたのを子供等が駆け上り駆け下りて遊んでいる...
寺田寅彦 「障子の落書」
...軍船は半ば燒かれて岸にあり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...半ば頃まではケープルトンの黄色がその中の先頭を切っていたが...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「白銀の失踪」
...八月の半ばすぎで...
徳田秋声 「黴」
...彼は半ば自棄的な苦笑を浮べて云った...
豊島与志雄 「死の前後」
...泥(どろ)が脛(すね)の半ばにおよび水が膝(ひざ)の上におよんだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...こうして有頂天になって橋の半ばまで来た金助が...
中里介山 「大菩薩峠」
...私が半ば思ひ出しかけてゐる聲音(こわね)と微笑で訊(き)いた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...王の意のままなる所領のうちに――座していた!熾天使といえど翼をこの半ばも美しい御殿に広げたことあるまいて!旗が黄金色して眩いばかりに頂きにて数々流れそよいでいた――(これは――何もかも――古えのはるか昔のこと)穏やかな風が吹くたび絡み合うあの愛おしい日に羽飾り並ぶ色褪せた城壁沿いから香気は翼生やして離れ去った...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...すぐもう半ば眠ったふりをしながら...
堀辰雄 「幼年時代」
...裏木戸は半ば開け放しになつてゐた...
牧野信一 「まぼろし」
...その夜々のうちに女は半ば可愛らしいものを自分のうちに感じるようになっているほどです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...寺内の墓地は半ば水に浸されて沮洳(しよじよ)の地となり...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...柳田家の出身地である栃木県宇都宮からほんの一里半ばかり離れた川っぷちに...
柳田国男 「故郷七十年」
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