...不幸にして樹は其切口から半ば割れて了つた...
石川三四郎 「馬鈴薯からトマト迄」
...又鹿兒島市及び其西北伊集院方面が地震最も強烈なりし事實に徴するも思半ばに過ぐるものあり...
石川成章 「櫻島噴火の概況」
...もう半ば腐りかけてゐた...
海野十三 「恐怖について」
...彼女の云うことは彼には半ば命令的に響くのであろう...
谷崎潤一郎 「細雪」
...私は去年の夏の半ばから秋の始めへかけて二た月ばかり箱根にいつてゐた時分のことを今そゞろに想ひ起してゐる...
近松秋江 「箱根の山々」
...特にそれは解釈哲学や文化的形而上学と云うべき半ば世界的に流行しているブルジョア観念論の現代的基本形態に...
戸坂潤 「再び科学的精神について」
...その評判は好悪相半ばしているようだが...
戸坂潤 「私の見た大学」
...正枝は半ば楽しく聞き取った...
豊島与志雄 「浅間噴火口」
...怒りを相手に伝えることも出来ないという半ばは意識的な遣方で...
豊田三郎 「リラの手紙」
...その夢は面白いので半ば開いた彼等の唇(くち)はやがて微笑み...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...食事前に一里半ばかり芝(しば)の三光(さんこう)から麻布古川辺の野外を少年生徒と共に散歩して...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...半ば開きたる窓に映じて...
森鴎外 「うたかたの記」
...もう脛(すね)の半ばにまで深くなった...
山本周五郎 「さぶ」
...」塩野と久慈が広い道路を横切っていって半ばごろまで渡り切ったとき...
横光利一 「旅愁」
...半ば、夢中のように、体を刎(は)ね起(おこ)すと、「そうだ、そうしていろ」六部は満足して、彼の胴と脚の部分を、そのまま松の木の幹へ縛りつけてしまった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...一間半ばかり離れて...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...殆んどその半ばが山桜ではないかと疑わるるほど...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...自分は半ば喜ぶとともに半ば悲しまなくてはならない...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
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