...」それは半ば砂に埋(うず)まった遊泳靴(ゆうえいぐつ)の片っぽだった...
芥川龍之介 「蜃気楼」
...蔦蘿(つたかずら)が半ば這(は)いかかって...
芥川龍之介 「尾生の信」
...思案外史はその頃中坂から一丁半ばかり...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...招待状にもちょっと書いてあったように、九月の半ばに、スイスのセン・ティミエで、最初の国際無政府主義大会と言ってもいい、いわゆるセン・ティミエ大会の五十年紀念会があった...
大杉栄 「日本脱出記」
...百里を行く者は九十九里を以て半ばとするのだと...
田中英光 「箱根の山」
...空はどんよりして、極く短い街々ですら、半ばは溶け、半ばは凍った薄汚い霧で先が見えなくなっていた...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...半ば崖の中に、洞穴みたいに、石をたたみこんで、朽木の庇がさし出ている...
豊島与志雄 「オランウータン」
...半ばは本能的な肉慾から...
豊島与志雄 「子を奪う」
...半ば相手の女に半ば彼に...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...二月も半ばを過ぎると...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...とまる前足に力余りて堅き爪の半ばは...
夏目漱石 「幻影の盾」
...窓掛が半ば私を隱してくれた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...どうしても衷心からの動きを制しかねた風で半ば独言のように云った...
宮本百合子 「北へ行く」
...あれから敏行が会社の株式をゴマ化したとかで牢屋に入って一年半ばかり...
三好十郎 「樹氷」
...ついにその事の半ばに...
吉川英治 「上杉謙信」
...銅雀台の遊楽も半ばに...
吉川英治 「三国志」
...「いや、北征などというと仰山(ぎょうさん)なれど、半ばは、北国遊歴のつもりで参った...
吉川英治 「新書太閤記」
...もうその時は五十歳の半ばを過ぎ鬢髪(びんぱつ)には白い霜が見えていたであろう...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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