...愛の体験を十分に噛(か)みしめて見ることをせずに...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...私が教育に対して何をいおうとするかを十分に見抜いていられると思う...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...燃料はかなり十分に貯(たくわ)えられていた...
海野十三 「月世界探険記」
...どうか十分に批評を願いたいと思う...
大隈重信 「政治趣味の涵養」
...すべての人がその才能を十分に伸ばすことができ...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...かれらが実際におこなっていることはまだ十分にわかっていないというはなしだ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...先輩としては十分に尊敬は払いながらも...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...鶩は凡てが丸呑みであるがまだ十分に生長しない彼等の喉では大きな栗毛虫は容易に通らない...
長塚節 「栗毛虫」
...つまり文学芸術といふ観念が自己の胸底に十分に確立しなければならぬ...
中原中也 「撫でられた象」
...しばしば十分に詩としての魅惑をあたへるから...
萩原朔太郎 「青猫」
...台所も十分にきれいにしておくことができます...
羽仁もと子 「女中訓」
...人間の愛情なんてのは小さな世界の中でも広い環境と同じくらい十分に満足させられるものなんだ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...そうして事件の真相を十分に見きわめるまでは突然の正覚をひとにさとらせぬほうがいいというところへ到達したのでしょう...
久生十蘭 「ハムレット」
...これはアポロンの託宣が十分に示すところで...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...稀代の大悪党と大毒婦の腕比べのあらわれかも知れないという疑いを十分に持っていたのであった...
夢野久作 「暗黒公使」
...発車前十分におれ達の自動車は北の停車場へ着いた...
與謝野寛 「素描」
...大連より四十分にして旅順に入り...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...「眼八、そちはこの足で麓へ急げ、そして山見付の溜(たま)りへ急を知らせ、十分に、手分けをしておくよう、この有村がいいつけじゃと伝えるがよい」「合点です、じゃ……」と、笠をかつぐのと目礼を一緒に、釘抜きの眼八、汗の乾くまもなく、足を急がせて、倶利伽羅坂(くりからざか)を降りて行った...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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