...若い時は十人並には見えたらうと思はれる容貌(かほかたち)...
石川啄木 「刑余の叔父」
...娘盛りにはこれでも十人並み以上であったろうと思われる...
田山花袋 「少女病」
...『娘の方はまず十人並みだ』と思う...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...十人並の人間一生の間に物理学の全般にわたって一通りの知識だけでも得ようとするのはなかなか容易な事でなくなる...
寺田寅彦 「科学上における権威の価値と弊害」
...顔立も十人並というところ...
豊島与志雄 「失策記」
...ほそ面の十人並の顔立……...
豊島与志雄 「操守」
...容色(きりよう)だつて十人並(なみ)より可(い)いぢやありませんかと梅子が云つた...
夏目漱石 「それから」
...十人並みと言ったのさえ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...才覚も容貌(きりょう)も十人並に優れていながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...男前も口前も十人並以上で...
野村胡堂 「死の舞踏」
...早苗は十人並で、別に人に不快を與へるやうな動作があるわけでもなかつたのだけれども、金錢のことになると、若い女に似合はずがつちりしてゐて、何となく冷たいものを人に感じさせるのである...
林芙美子 「風媒」
...十人並の朝餐が摂りたかつたなら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...はじめて十人並みの少年と言うべきなり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...十人並(なみ)の容貌を具えたるにいとど可憫(ふびん)の加わりて...
福田英子 「妾の半生涯」
...かういふいゝ氣持を感じながら、思ふ存分温かい汐風に浸つて、腦裏の塵埃を拭つて、胃の働きをもよくして、家へ歸つて午餐の膳に向つて、新鮮な魚介や蔬菜を味ふ時は、十人並に、生きとし生けるものゝ刹那の幸福が感ぜられるのであつた...
正宗白鳥 「吉日」
...容貌(ようぼう)が十人並みのものであって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...縹緻(きりょう)は十人並のポッチャリした方で...
夢野久作 「近眼芸妓と迷宮事件」
...十人並以上の容貌をもって...
吉川英治 「江戸三国志」
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