...十二分に身じたくをしてから出かけたらいいだろうとみんなが寄って勧めたけれども...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...自分は当局者がこの辺の事情を十二分に研究せられんことを切望する...
伊波普猷 「沖縄人の最大欠点」
...この辺のところは特に女子教育の任に当ておられる教育家諸君に十二分に研究して貰いたいのであります...
伊波普猷 「ユタの歴史的研究」
...やがて酔(えい)も十二分にまはりけん...
巌谷小波 「こがね丸」
...四時四十二分に例の旅客列車が通過して...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...そうしてそれに固有な効果を十二分に感受することのできる日が来るとしたら...
寺田寅彦 「映画の世界像」
...ある人は流しがなるべく念入りで按摩も十二分にやらないと不愉快であるという...
寺田寅彦 「備忘録」
...何んな完全な設備でも出来る筈の余地が十二分にあつた...
徳田秋聲 「老苦」
...わたしとしてはけっしてやってはならないと十二分に意識しているその瞬間に...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...中心實に此點に於ける閣下の特色が十二分に發揮せられむことを期したりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...十二分にまで見せている...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...どういう訳か九時十二分になっても警官隊は姿を見せぬ...
久生十蘭 「魔都」
...その時に当って我が圓朝は敢然と開化人を膝下に集めて時下薬籠中の怪談のスリルを十二分に説きつくし...
正岡容 「我が圓朝研究」
...自ら十二分にその罪ほろぼしをしたのであって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...汽缶は十二分に沸き立ちながら...
山本笑月 「明治世相百話」
...七月十九日の午前十時二十二分に三年町の自宅自室で父が七十二歳の息を引取った時...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...何も疑わしいところがないんだよ」「十分……十二分に疑ってみる必要があると思いますなあ...
夢野久作 「二重心臓」
...十二分に馳走して遣わそう」と側近に洩らしていたという...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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