...それに対して山姥が山の小動物を匿(かくま)っている態のものだが...
高村光太郎 「回想録」
...やっと自分が自分の匿(かく)されている家に...
徳田秋声 「爛」
...その匿された又は露骨な本質を衝かねばおかぬと考えたマルクス主義文学運動に対して...
戸坂潤 「思想としての文学」
...女はわが家に隠匿(かくま)ったお園(その)ではないか...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...学資を出して貰っていた匿名の実業家の人からも...
中谷宇吉郎 「鳥井さんのことなど」
...それだけのものを金座のなかへ匿しておくというのはあぶない...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...その夫を櫃の中に隠匿(いんとく)して...
穂積陳重 「法窓夜話」
...二マルサスの『人口論』第一版は、匿名の下に、一七九八年に現れたのであるが、これに先立って一七九六年、彼は公刊の目的をもって、フランス革命に影響されて混沌たる状態にある時勢を論じた一つのパンフレット1)を書いた...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...けれども自分で匿まつてゐないのだから割合に落ちつくことも出來るのであつた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...山の中腹を走る街道の左手遥か下に幾つかの家を匿(かく)した村が見える...
柳宗悦 「全羅紀行」
...大きな百貨店にはあらゆる品々が所狭(せま)きまでに並んでいますがその多くは誤魔化しものなのを匿(かく)すことが出来ません...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...宇和島藩に匿まわれた菊池為三郎がなければ...
山本周五郎 「新潮記」
...千鶴子と母との両方にその部分を隠匿して置く自分の不潔さが赦しがたかった...
横光利一 「旅愁」
...米沢城の奥まったところへ死ぬまで匿(かく)まわれてしまうやも計り難いぞよ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...伊吹のもぐさ屋のお甲の家に匿(かく)まわれていた小僧でしょうか」「死んだ兄貴の典馬のひき合わせだろうよ――おれも初手(しょて)はそんな気はみじんも抱いていなかったのだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...お山に匿(かく)まい置くべからず――という衆議になったからじゃ」「……悪評」武蔵は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...まだ長崎表から帰府していないはずの塙郁次郎(はなわいくじろう)を屋敷の奥に匿(かくま)っているなどという事実は...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...わたしの匿れていた箱は...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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