...」一中節(いつちうぶし)の師匠(ししやう)になることはとうとうお宗(そう)さんには出来なかつた...
芥川龍之介 「素描三題」
...奇麗な小さい意匠がついていたが...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...申分は無いのだが……」と宗匠は早や酔って来た...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...あるいは云う男の師匠が弟子を折檻する例は多々あるけれども女だてらに男の弟子を打ったり殴(なぐ)ったりしたという春琴のごときは他に類が少いこれをもって思うに幾分嗜虐性(しぎゃくせい)の傾向があったのではないか稽古に事寄せて一種変態な性慾(せいよく)的快味を享楽(きょうらく)していたのではないかと...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...また余分の付け届けを持って行くとさしも稽古の厳重な彼女もその日一日はその子に対して顔色を和(やわら)げ心にもない褒(ほ)め言葉を吐(は)いたりするので聞く方が気味を悪がりお師匠さんのお世辞と云うと恐ろしいものになっていた...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...それと云うのが眼が潰れると眼あきの時に見えなかったいろいろのものが見えてくるお師匠様のお顔なぞもその美しさが沁々(しみじみ)と見えてきたのは目しいになってからであるその外(ほか)手足の柔かさ肌(はだ)のつやつやしさお声の綺麗(きれい)さもほんとうによく分るようになり眼あきの時分にこんなにまでと感じなかったのがどうしてだろうかと不思議に思われた取り分け自分はお師匠様の三味線の妙音を...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...それは辰之助が今は隣国で廓(くるわ)のお師匠さんをしている...
徳田秋声 「挿話」
...用心深い織匠(はたや)は念を押した...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...俗宗匠輩がこの句を説くに...
正岡子規 「古池の句の弁」
...懇(ねんご)ろな師匠の言葉に...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お師匠さまのお手にお預けして来ても...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「いかにもそなたが、そこまで腰をおとしてしずかに事を運ぼう気になったのは何よりだ」と、これは、菊之丞の、やや錆(さび)た声で、「何分にも、かたきの数は多いのだし、すべてがこの世にはばかる程の、それぞれの向きの大物たち、並べて首を取れるわけがない――ゆるゆると、人目に立たず、一人一人亡ぼしてやるのが一ばんじゃ、しかし、わずかの間に、それだけ事を運ばせたは、さすが、そなただの」雪之丞、師匠の前で、だんだんに着手し進行せしめている、復讐方略の説明をしているものらしい...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お師匠さんはお留守ですが...
森鴎外 「雁」
...また、師匠は、よく人が刺繍の出来ばえを評して「まるで絵のようだ」とか、「絵画にまさる」とか言うが、繍は絵と全くその性を異にするものであるし、これを比較対照してみるのは可笑しな話しである...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...宗匠(そうしょう)は一句しか参加しておらぬので...
柳田国男 「木綿以前の事」
...画道は師匠につきましたが」「おや...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...内匠頭の前へ茶わんを置いた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...この尊傲(そんごう)な工匠(こうしょう)の部屋へ通った...
吉川英治 「増長天王」
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