...さうして各聯の上下二句を誇張を交へたるのみによつて緊密に限定し過ぎたるが故に最も周匝なるが如くにして最もフラ/\したものとなつてしまつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...基督とその周匝(めぐり)なる天翔(あまがけ)る靈とは猶金色に照されたり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...その二部分を接合させる棒が通りぬける為の横匝線が残るように...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...周匝は何時でも平和だ...
石川啄木 「菊池君」
...點けた許りの明るい吊洋燈(つるしランプ)の周匝(あたり)には...
石川啄木 「菊池君」
...その周匝(あたり)の風物としつくり調和してゐた...
石川啄木 「札幌」
...白銀の矢に貫かれた白鳥の屍! 其周匝の水が血の色に染まつたと見ると...
石川啄木 「散文詩」
...其周匝(めぐり)には五六人の男の児が立つて居て...
石川啄木 「葬列」
...周匝(あたり)にひゞく駒下駄の音を石甃(いしだゝみ)に刻み乍ら...
石川啄木 「葬列」
...口の周匝(まはり)を囲むやうに下向きになつた薄い髭...
石川啄木 「道」
...周匝(あたり)の木々の葉裏にはもう夕暮の陰影(かげ)が宿つて見えた...
石川啄木 「道」
...眼輪匝筋(がんりんそうきん)は豊かに肥え...
高村光太郎 「九代目団十郎の首」
...トロイの城壁を三匝(さんそう)したとか...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...周匝(まわり)の役者に構わずに己(うぬ)が声を己(うぬ)が聞いて何にも胸に感ぜずに楽屋に帰ってしまうように...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...日に閻浮提(えんぶだい)洲を三度匝(めぐ)って疲れず王の念(おも)うままになって毎(いつ)もその意に称(かな)うという(『正法念処経』二...
南方熊楠 「十二支考」
...周匝(めぐり)に扇形の皿八枚を置いた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...隣の匝瑳(そうさ)郡にかけて別にまたジチリュウ...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...月は明らかに星稀(まれ)なり烏鵲(うじゃく)南へ飛ぶ樹(じゅ)を遶(めぐ)ること三匝(そう)枝の依るべきなしという詞があった...
吉川英治 「三国志」
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