...さうして各聯の上下二句を誇張を交へたるのみによつて緊密に限定し過ぎたるが故に最も周匝なるが如くにして最もフラ/\したものとなつてしまつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...その二部分を接合させる棒が通りぬける為の横匝線が残るように...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...その周匝(あたり)の風物としつくり調和してゐた...
石川啄木 「札幌」
...大きい輪を描いて檣(ますと)の周匝(まはり)を飛んだ...
石川啄木 「散文詩」
...其周匝(まはり)には粗末な木柵がらしてあつた...
石川啄木 「散文詩」
...女乞食の周匝(めぐり)に立つて居た児供(こども)の一人が...
石川啄木 「葬列」
...周匝(あたり)にひゞく駒下駄の音を石甃(いしだゝみ)に刻み乍ら...
石川啄木 「葬列」
...口の周匝(まはり)を囲むやうに下向きになつた薄い髭...
石川啄木 「道」
...周匝(あたり)の木々の葉裏にはもう夕暮の陰影(かげ)が宿つて見えた...
石川啄木 「道」
...周匝(あたり)はもう薄暗かつた...
石川啄木 「道」
...四壑のために鉄より堅牢なる箍(たが)を匝(め)ぐらしたるもの...
宇野浩二 「それからそれ」
...匝(まわ)れば匝(まわ)られるものを...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...周匝(めぐり)に扇形の皿八枚を置いた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...身の周匝(まわり)を見廻した...
森鴎外 「木精」
...隣の匝瑳(そうさ)郡にかけて別にまたジチリュウ...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...下のモは必ず身を匝(めぐ)らせておるが...
柳田国男 「雪国の春」
...月は明らかに星稀(まれ)なり烏鵲(うじゃく)南へ飛ぶ樹(じゅ)を遶(めぐ)ること三匝(そう)枝の依るべきなしという詞があった...
吉川英治 「三国志」
...和気とか佐伯とか周匝(すさい)とかいう小さい村や部落を時々見るほかは...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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