...薄暗い北向きの玄関には...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...頭を北向きにしなくてはならぬ...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...北向きの病床に上半身を起し...
海野十三 「心臓盗難」
...北向きに安置(あんち)された...
海野十三 「超人間X号」
...彼処は北向きの高台に拠っていて...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...あの手摺は――北向きですから」「でも丁度土の上の跡に合ふ踏臺はあるだらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その北向きの家には...
林芙美子 「落合町山川記」
...勝手は北向きにて師走(しはす)の空のから風ひゆう/\と吹ぬきの寒さ...
樋口一葉 「大つごもり」
...かへつて明るい北向きの窓に沿ひながら...
堀辰雄 「四葉の苜蓿」
...北向きの、その小さな窓が一つと、ピラミツド型に歪んだ天井裏に二尺四方のあかりとりが開いたが、そんな小さな窓から空を仰ぐと、わけても憐れに満ちた放浪の煙りがもやもやとして、細々と空へ立ち昇つてゆく思ひが切なく、私は細引を曳いて窓板を閉ぢると戸立蜘蛛の有様で穴の底に瞑目するだけだつた...
牧野信一 「剥製」
...北向きの留置場では花時でも薄暗く...
宮本百合子 「刻々」
...北向きのたった一つの格子窓からは路地のすぐ向うに紺屋の勝手口が見えた...
矢田津世子 「鴻ノ巣女房」
...――窓は北向きで...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...一北向きの小窓のしたに机をすえて「松の花」という稿本(こうほん)に朱を入れていた佐野藤右衛門(とうえもん)は...
山本周五郎 「日本婦道記」
...あんじょう儲からんことには払えやしまへんがな」記事部屋は北向きで...
山本周五郎 「へちまの木」
...両隣りとソックリの貸事務所になっている北向きの二間半間口(まぐち)で...
夢野久作 「鉄鎚」
...わしは舟で立つつもりだ」北向きの中庭に面した一間に坐って...
吉川英治 「黒田如水」
...吉野山蔵王堂の艮(うしとら)なる林の奥に円丘(まろをか)を高く築いて北向きに葬(はうむ)りたてまつる――かくて...
吉川英治 「私本太平記」
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