...北原白秋も俳聖と呼ばれることがある...
...一昨年の秋、私はたまたま昔の阿蘭陀書房、即ち今日のアルスの北原鐵雄さんに、あなたはうちで出した芥川のものを持つてゐるさうですねえ、といはれて、その北原さんに、羅生門を出されたのは、あなたのおいくつのときでしたと申しましたが、北原さんの年齡、それは必ずしも羅生門のためばかりのわけではなく、芥川さんの始めと終りの二度、芥川さんが生涯で一番元氣であつた時と、おそらくはその中間を空白でゐて、また、一番へこたれてしまつてゐた時とに會つてゐる、北原さんのまはりあはせを承知してゐて、その年齡をたづねたのですが、それはそれとしておきまして、北原さんのさつぱりとした昔話は、少くとも、羅生門出版の由來については、淡々として話をされてゐたが、その因縁は全くもつて初耳のことでありましたから、今日はそれを一寸、みなさんに、お傳へ致しておかうと思ひます...
小穴隆一 「二つの繪」
...但し、この話には、話をありのままに聞かせてくだすつた、北原さんのためにも、どうか、當時の文壇といふもの、また本屋といふもの、また、北原さんが、その兄さんの北原白秋のために、本屋を志されたのかと思はれる人で、當時は歌や詩のはうの本を主に出してゐて、小説本の出版は頭になかつたらしい點をも、お考へにいれておいていただきたいものです...
小穴隆一 「二つの繪」
...おあたりなさいまし」と北原が...
中里介山 「大菩薩峠」
...その時分、温泉宿の中では、池田良斎と、北原賢次とが、炉辺(ろへん)で面(かお)を見合わせ、「やっぱり鈴慕ですよ、ですがあの鈴慕は、琴古の鈴慕とは少し違うようです」と北原賢次がまず言いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「おかしいな、全くふりのお客らしいが……出てみよう」ともかくも、一番先にそれを耳にした人に、出て応対をしてみる責めがあると観念して、北原は立って、「新助さんかね」「旅の者でございます、少々尋ねる人があって、これへ入り込みました」「何、たずねる人があって、いまごろ、今時分、ここまでおいでになった……」「御免下さい」北原賢次が土間へ下りて、ありあわせの草履(ぞうり)を突っかけて、戸をあけにかかった時、ふと本能的に、自衛の念にかられないでもありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...国学者兼神楽師 池田良斎その一行 北原賢次同 村田寛一同 中口佐吉同 堤一郎同 町田政二俳諧師 柳水画師 木川宗舟甲州上野原 久助同 お雪山の通人 吉造山の案内 茂八温泉留守番 嘉七猟師 十太郎同 良太だいたい...
中里介山 「大菩薩峠」
...北原も、ちょっと合(あい)の手(て)に、それを取り上げて見ると、北斎の挿絵が、キビキビと胸に迫るもののあるのを覚える...
中里介山 「大菩薩峠」
...北原の無粋を見かけての御註文ですね...
中里介山 「大菩薩峠」
...北原が迎いに出でたところの...
中里介山 「大菩薩峠」
...ですからわたくしは、蔭ながらいかにあの子の悲痛を思いやってはおりましても、あの子の身の上に、全くの絶望ということを感じないのが一つの心強さでございましたが、なんに致せ、あのように疑いを知らぬ人の子を長く迷惑の谷に沈めて置くというのは忍びないことでございます――白骨を無事に立ったとはいうものの、やっぱりあの子は苦しんでいるに違いありません」この時、草鞋(わらじ)を取って洗足(すすぎ)を終った久助が炉辺へ寄って来て、「北原さん、これがあなたへ宛ててのお雪ちゃんの手紙でございます、口不調法な私には、何からお話を申し上げてよいか分りませんが、これをごらん下さると、すべてがお分り下さるでございましょう」「お雪ちゃんからのお手紙ですか」北原はそれを受取って、燈火の方に手をかざして封を切りながら、自分も読み、人も差覗(さしのぞ)くことを厭(いと)わぬ形で読んでしまいましたが、「おやおや、高山で火事に遭って、お雪ちゃんは身のまわりのものそっくりを焼いてしまいましたね」「いやもう、飛んだ災難で、あなた方にお暇乞いもせず、逃げるようにここを出て行きましたくせに、今更こんなことを手紙であなた方へ申し上げられる義理ではございませんが、全く旅先で、身一つで焼け出され、九死一生というつらさが身にこたえました」「君、何だってお雪ちゃんはまた、ここを逃げ出したんだ」堤一郎が不審がる...
中里介山 「大菩薩峠」
...北原氏の和歌はたしかに立派な象徴詩です...
萩原朔太郎 「ふつくりとした人柄」
...最初に飛び出したのは北原だった...
久生十蘭 「地底獣国」
...同じころの吉原大洪水の風景は北原白秋が『雪と花火』に「CHONKINA(チョンキナ)」と題した絶誦があるからその一半を紹介して見よう...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...北原白秋一年に一度くらゐしか会はないでゐても...
室生犀星 「交友録より」
...北原君と言つてわるい気がするが...
室生犀星 「交友録より」
...北原精之助というその侍を...
山本周五郎 「契りきぬ」
...北原精之助の住居は上条という処にあった...
山本周五郎 「契りきぬ」
...北原氏は、私の膳、隣りの人の膳、さらに次々と幾枚も手にとつては、それらの掌のひら大の上に、ゴスで子供が描いたやうな書、また草花、山水などを見て行つて、かう長嘆したものだつた...
吉川英治 「折々の記」
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