...お父さんは、まあ、自業自得で仕方がないとしても、あたしにまで、こんな赤い太鼓の片棒かつがせて、チンドン屋みたいな事をさせてさ、お母さんはきっと、お父さんをうらんで、化けて出るわよ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...されど小説にかきつづりて世に伝へんとする好事家(こうずか)もなかりしかば化けて出る噂もほどなく消えてしまひけり...
永井荷風 「桑中喜語」
...ようござんすか」それを聞かなければ化けて出る...
中里介山 「大菩薩峠」
...人の良い娘は化けて出るほどの氣力もないらしいが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...殺されたつて化けて出る張合ひもない野郎だが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...殺されても化けて出る張合ひもない――とは何んといふ罰の當つた言ひ草だ」「――」「百兩の褒美がそんなに有難きや...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あっしはまだ死ぬのに少し早いようでもっともあんな女と三日も添い遂げた上ならコロリと死んでも化けて出るような未練がましいことはしませんがね」そんな太平楽を言う八五郎です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...罪の無い者を殺して済むめえ――化けて出るぜ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...罪の無い者を殺して濟むめえ――化けて出るぜ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...殺されて化けて出るのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どうせ宵の口から化けて出るエテ物だらう」平次はからかひ面(づら)でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...死んで化けて出る当があるわけじゃなし...
野村胡堂 「礫心中」
...だから死んだ後も化けて出る」という読み方は決して推奨しません...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...「晩に雀が化けて出るぞ...
牧野信一 「周一と空気銃とハーモニカ」
...化けて出るつて?行燈(あんどん)の油でもなめるのかしら...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...」「あってもなくてもいいのに、おしゃれだね、きみは、」「だって晩にはしくしくと何時までも疼いて、どうにも手がつけられないんですもの、おじさまがそんなに冷淡なこと仰有ると、化けて出るわよ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...このまま片づけるのも芸のねえ話だかんナ……エヘン」「止せったらヂック……そんな事をしたら化けて出るぞ」「ハハハハ……化けて出たら抱いて寝てやらあ……何も話の種だ……エヘンエヘン」「止せったら止せ……馬鹿だなあ貴様は……云ったってわかるもんか」「まあいいから見てろって事よ……これあ余興だかンナ……俺の云う事が通じるか通じないか……」って云ううちに...
夢野久作 「支那米の袋」
...女というものは殺すと化けて出るものである...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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