...此の意味に於いて理解されたる「人間」は相互の間に無限の矛盾を包括するものである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...その中に凡てを包括するの...
高木敏雄 「比較神話学」
...我々がそれを直接に意識しているというふうに我々のうちにあらゆるものを包括する...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...現代の俳句界はジャーナリズムの力を借りることなしには大衆を包括することができないのに...
寺田寅彦 「俳諧瑣談」
...能知者と所知者の結合を包括する全体が更に大きな普遍的で絶対的な能知を反映する事によって芸術たる価値が定まると考える事が出来るだろう...
寺田寅彦 「文学の中の科学的要素」
...恐らくただ学問が包括する外延上の大小――それは内包上の特殊・全般の区別ではない――がその区別であるであろう...
戸坂潤 「科学方法論」
...物理学のもつ科学的世界――物理学的世界――は一切の自然的事物を支配し包括する普遍性を有つ...
戸坂潤 「科学方法論」
...両者の間のすべてを包括することが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...當時の朝廷が直轄したまへる地方を包括するならん...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...今日我我のいふ韻律の語意は實に「拍子(テンポ)」と「旋律(メロヂイ)」の兩屬性を包括する概念...
萩原朔太郎 「青猫」
...しかるに死は過去より將來を通じて同一なる主體從つてあらゆる時を包括する現在の消滅を意味する...
波多野精一 「時と永遠」
...自然的生においてはその都度の現在はあるも一切を包括する現在は無い...
波多野精一 「時と永遠」
...一切を包括する現在に浸つたまま遡つて生の根源を究めるを怠る文化主義にとつては...
波多野精一 「時と永遠」
...罪の赦しそのものはすでに超時間的なる根源的罪惡と個々の時間的行爲の罪惡性とをひろく共に包括する...
波多野精一 「時と永遠」
...この現實的世界は自然的文化的生の全體並びにそれのうちに含まれる乃至それと聯關する一切の存在を包括する...
波多野精一 「時と永遠」
...後者に属する人は、強烈な消耗と同時に新生の可能の故に、自分を包括する...
「一本の花」
...それ等すべての感情を包括する学生生活というものへの一つの公の不満なのであった...
「海流」
...従ってそれは一切を包括する...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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