...背後(うしろ)から夫人の肩を肩掛(ショオル)のように包むと...
泉鏡花 「婦系図」
...チューインガムに包む...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...その岩塊の頭を包むヴェールのように灰砂の斜面がなめらかにすそを引いてその上に細かく刺繍(ししゅう)をおいたように...
寺田寅彦 「小浅間」
...天上のたゞ神明の旨にあり』99 咒詛の意を包む...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...新聞はそれで物を包むことの出来る性質を持っている...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...そしてそれ全体を包む痩せた透明な頬の皮膚...
豊島与志雄 「楠の話」
...肉切り庖丁を紗の布で包む...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...包むところなく打明けられる機会に出遇(であ)った...
永井荷風 「ひかげの花」
...長い車は包む夜を押し分けて...
夏目漱石 「虞美人草」
...人目を包む風呂敷に蔵(かく)してなおさらに疑(うたがい)を路上に受くるような気がする...
夏目漱石 「虞美人草」
...自分の表情を包むということは...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...白い手巾で包むように持って...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...其年の師走には親子が身二つを包むものも無く...
樋口一葉 「琴の音」
...深い憤(いきどほり)を包むに苦しさうな顔付をすることが常であつた...
平出修 「瘢痕」
...古川柳に「土手で逢ひどこへ/\と手をひろげ」「土手で逢ひ今は何をか包む可き」その「土手で逢ひ」である...
正岡容 「大正東京錦絵」
...」ジヨバンニはまだ熱い乳の瓶を兩方のてのひらで包むやうにもつて牧場の柵を出ました...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...汐見櫓(やぐら)を包む大森林と...
夢野久作 「名君忠之」
...おれに打ち明けて包むことがないが...
吉川英治 「新書太閤記」
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