...羞恥の誠を以つて包む事を外にして...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...散歩せりその一人々々は異樣なり近づくのが恐いやう年代を經し無慘なる印象その身を包む外套のかげより現はれたりその顏の立派さ...
千家元麿 「自分は見た」
...病苦にもそれを忘却に包むひと時がなかったが...
鷹野つぎ 「窓」
...行田への荷物包む...
田山花袋 「田舎教師」
...私を包むものからかくも乖離しているというのに...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「感覚の殻」
...という意味は一定の境界を以て包むこと...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...これこそ己を空うして他を包む我國特有の主體的原理である...
西田幾多郎 「世界新秩序の原理」
...これを隠(かく)しあるいは包むとすれば...
新渡戸稲造 「自警録」
...一切であり又一切を包む無限の愛を...
波多野精一 「時と永遠」
...私は二枚ばかりの単衣(ひとえ)を風呂敷に包むと...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ニコラウス・クザーヌスの「かくて今即ち現在は時間を包む」Ita nunc, sive praesens, complicat tempus といふ有名な言葉にあつても...
三木清 「歴史哲學」
...ヒスイの入歯をチラチラのぞくその桃白の下衣にその豊富なあでやかさを包む花麗春嬢...
三岸好太郎 「上海の絵本」
...いつか云っていらした『我々は世界を包む』We cover the world という本も見出しました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...筆まかせに書いて包むとすぐに女房へ渡した...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それから新張家の外郭を包む煉瓦塀にヘバリついてグルリと半まわりすると...
夢野久作 「女坑主」
...モルヒネをきっかり三時間後に利かせるように包むカプセルや...
夢野久作 「暗黒公使」
...人々の頭はこれより幾層倍の精彩を増して自己を取り包む物理の自然さを見守っていることか...
横光利一 「欧洲紀行」
...ふとんでも包むような大きな風呂敷を体に巻いて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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