...尚更その肌を押し包むようにするのでした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...それを詩と美との雰囲気に包む...
津田左右吉 「日本精神について」
...大地ゆり大地を包むポセードーン...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...新聞はそれで物を包むことの出来る性質を持っている...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...本には著者の見地を包む著者の願いというようなモラルがあるものだが...
戸坂潤 「読書法」
...又構想力が範疇を内に全く包むのでもない...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...柔に身を包む毛布はいよいよ暖に...
永井荷風 「西瓜」
...二紅(くれない)を弥生(やよい)に包む昼酣(たけなわ)なるに...
夏目漱石 「虞美人草」
...小さい彼の心を包むに足りなかった...
夏目漱石 「道草」
...過去未来を包むということ...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...これを隠(かく)しあるいは包むとすれば...
新渡戸稲造 「自警録」
...いばりたいというような望みを包む...
新渡戸稲造 「自警録」
...其年の師走には親子が身二つを包むものも無く...
樋口一葉 「琴の音」
...我れに隱くすことなく我れに包むことなく...
一葉 「暗夜」
...かく読み終れる妾の顔に包むとすれど不快の色や見えたりけん...
福田英子 「妾の半生涯」
...服紗には物を包む以外のいろいろの使いみちがあった...
柳田国男 「母の手毬歌」
...人家を包む円(まろ)やかな濃緑色の団塊となった森の中に吸われて行った...
横光利一 「日輪」
...あはれこの梔花色(くちなしいろ)の明りこそ咲く花の如(ごと)き命を包む想像の狭霧(さぎり)なれ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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