...一切を包む夜があるのみである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...船体を包むかと思うと...
有島武郎 「或る女」
...そして夕暗(ゆふやみ)がやがてそれを包むのである...
犬養健 「姉弟と新聞配達」
...怪物は、あの「鉄仮面」のように、頭部全体を包む、青銅の仮面をかぶっていたのでしょうか...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...私はその雪白の布(きれ)が私の身体を包むのを見るにつけ大(おおい)に愉快だと思った...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...その後で足を包む布で朱の腹から腰のあたりを繃帯して手術を終ったが...
田中貢太郎 「陸判」
...余は手拭の外に包むものがないので其兩端へ括れる丈括つた...
長塚節 「佐渡が島」
...彼女を包む一色(ひといろ)の目立たないコートと...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...七夕(たなばた)が近くなると江戸を包む藪(やぶ)は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...白い手巾で包むように持って...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...脛から踵を包むように庭石の上に腰をかけました...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...更に之れを包む豐麗な肉體と...
萩原朔太郎 「青猫」
...彼はその紋附の着物を風呂敷に包むと...
原民喜 「氷花」
...かく読み終れる妾の顔に包むとすれど不快の色や見えたりけん...
福田英子 「妾の半生涯」
......
正岡子規 「墨汁一滴」
...ヒスイの入歯をチラチラのぞくその桃白の下衣にその豊富なあでやかさを包む花麗春嬢...
三岸好太郎 「上海の絵本」
...胃の熱に逢って外(ほか)の物を引包むから酸類の中毒には応急手当として生玉子を飲む...
村井弦斎 「食道楽」
...茂つた森が周囲(まはり)を包む...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
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