...主人が勧むるに任せて彼は靴を脱いで上った...
李光洙 「愛か」
...当家へ入って来たのも、何かの縁であろうからと、勧むれば、亭主は気の好(よ)き男にて、一議も無く承引なし、「向側の行当(ゆきあたり)の部屋は、窓の外がすぐ墓原なので、お客がございませんから、幽霊でさえなけりゃ、それへ連れて行って介抱してつかわしましょう...
泉鏡花 「活人形」
...我に佳児(かじ)有り貴官(きかん)を羨(うらや)まず我に佳婦(かふ)有り綺(きがん)を羨まず今夕首を聚(あつ)む皆当(まさ)に喜歓すべし君がために酒を行う君に勧む加餐(かさん)せよそのうちに花城はいってしまった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「翩翩」
...都下の新聞日として侯を議せざるなし人あり侯に勧むるに新聞記事の取消を以てす侯笑つて曰く...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...彼は富者に勧むるに地獄をさけて天国を得るため貧者に施さんことをもってし...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...熊胆を売らんとて勧むる者多し...
中里介山 「大菩薩峠」
...ウィリアムはシーワルドの勧むるままにクララへの手紙を認(したた)める...
夏目漱石 「幻影の盾」
...所謂銀行者弁護士流の筆法を取て直(ただち)に之を婦人に勧むるに非ず...
福沢諭吉 「女大学評論」
...けっして字を読むことのみを勧むるにあらず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...この流の人に向かいて豈(あに)高尚の学を勧むべけんや...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...また時として動を勧むるなきを期すべからず...
福沢諭吉 「学問の独立」
...あえて自家の題目を唱えよと勧むるには非ざるも...
福沢諭吉 「学問の独立」
...余輩が毎(つね)に勧むる所の教育とは...
福沢諭吉 「家庭習慣の教えを論ず」
...正直ならざる者に正直にせよと勧むるも口のさきの講義これをして毫(ごう)も正直ならしむる能はず...
正岡子規 「病牀譫語」
...そこに囚われいる情女カリテを娼妓に売れと勧むると...
南方熊楠 「十二支考」
...どうぞお上り下さい」と兄の言葉について小さく言えど勧むる心は兄にも優れり...
村井弦斎 「食道楽」
...其の筆記に従事せんことを勧む...
若林※[#「王+甘」、第4水準2-80-65]藏 「怪談牡丹灯籠」
...度々爺の勧むるままに...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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