...園は一人の勤勉な科学者であればそれで足りるのに...
有島武郎 「星座」
...この學者――實際この人は、何事にも退嬰的な態度をとることと、その癖平生は人の意見には頓着なしに自分の言ひたいことだけを言ふといつた風な傾きのあることとの二つの學者的な習癖を除いては、殆ど全く非難すべき點のない、温厚な、勤勉な、頭の進んだ學者で、現に東京帝國大學に講師となり、繁劇な新聞の仕事をやる傍ら、其處の商科に社會學及社會政策の講義をしてゐるが、しかしその最も得意とする處は寧ろ國際法學であつて、特にその米國に關する國際法に於ては自分が日本のオオソリチイであると、嘗て彼自ら子供らしい無邪氣を以て語つたことがあつた...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...しかして余の失敗より来りし害は余一人の身に止まらずして余の庇保(ひほ)の下(もと)にある忠実なる妻勤勉なる母の上にも来れり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...勤勉な召使であったのだ...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...勤勉な小谷さんはたいていまだ東天の美しい時分に私のベッドに出勤してパチリと電灯をつけた...
鷹野つぎ 「窓」
...それですら關係文獻の堆積は頗る浩瀚なもので一般人は勿論勤勉な專門家でさへ一人の力では到底手におえぬ程である...
橘樸 「支那を識るの途」
...勤勉な者、巧妙な者、倹約な者の労働の成果、貯蓄の成果を共同の所有としようと強いるのは、これらの人々の手からこれらを奪って、懶惰(らんだ)な者、巧妙でない者、浪費者のために与えるものであり、すべての人々から、各自の目的の追求が適当であったか否かの責任を奪うものであり、各自の使命の遂行が道徳的であったか否かの責任を奪うものである...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...勤勉な誠実なそれらのりっぱな労働者らは皆...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この勤勉な都会たるパリーの光景ほど...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...労働者なる自分に仕事がなく勤勉な自分にパンがなかったことは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...まことに勤勉なものだと...
中谷宇吉郎 「ウィネッカの秋」
...いかな勤勉な三四郎にも四十時間はちと多すぎる...
夏目漱石 「三四郎」
...此上もなく勤勉な男で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...秘書のあいだにも勤勉な者とそれほど勤勉でない者とがいます...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...あなたを勤勉な秩序正しい根氣(こんき)のある婦人の典型と思ふからなので...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...肥沃な勤勉な一州の住民に及ばなくなることもあろう2)...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...多計代は自分の翼の下へ従順な、勤勉な、つましいやがて大学生になる保をとめて置こうとし、常にその身構えで姉との間に立っていた...
「おもかげ」
...その勤勉な蜂は...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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