...貴客(あなた)がたのお人柄を見りゃ分るに、何で和女、勤める気や...
泉鏡花 「歌行燈」
...勤めるたって、どうしましょう……踊は立って歩行(ある)くことも出来ませんし、三味線は、それが姉さん、手を当てれば誰にだって、音のせぬ事はないけれど、弾いて聞かせとおっしゃるもの、どうして私唄えます...
泉鏡花 「歌行燈」
...自分の性分としてあれ以上勤めることは出来ないのであるから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...元来この年貢米はもっぱら国家に対して御軍役その他を勤めるために取っているので...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...勤める――」月丸は...
直木三十五 「南国太平記」
...少くとも人に不快を起させない役柄を勤める俳優であるやうな心持になる...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...平常は食堂の代理を勤める...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...つゞまり二月は茲(ここ)で暮し三月の三日一先づ薩摩へ行つては如何と西郷さんが勤めるので...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...俺は平次と言つてお上の御用を勤める人間だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...引廻しの出るときの御用を勤めるという...
長谷川時雨 「大門通り界隈一束」
...ほんのちょっと遅刻しただけですぐ最大の疑いをかけるような商会に勤めるように運命づけられたのだろうか...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...神奈川県の警察に勤めるまで...
久生十蘭 「あなたも私も」
...勤める方がいいだろうとなった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...これからこつちの會社に勤める人だといふ事だつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...調べる要点も言ってやっておそらく勤めるのと行き違いについたのではないでしょうか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...願掛けまじないのために勤めるものであった...
柳田国男 「雪国の春」
...この役は借銀をしても勤めると云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...迷信的空想に対する一種の解毒剤(げどくざい)の役を勤めるであろうと考えたからである...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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