...只一人の壯士(ますらを)としても忍男(おしを)の殿は小室の殿に勝つて居るといふことを繰返した...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...生存競争に勝つ望みが多くある...
丘浅次郎 「進化論と衛生」
...いくら角の大きいのが競争に勝つに都合がよいというても...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...強敵に打ち勝つ望みは決してなかったのであろう...
丘浅次郎 「我らの哲学」
...勝つために、実に卑劣な手段を用いる...
太宰治 「如是我聞」
...勝つても負けてもまた必然当然であれ...
種田山頭火 「其中日記」
...日本人が勝つということが何につけ嬉しい植民地根性から...
戸坂潤 「社会時評」
...ところで、その争いの結果、ドチラが勝つか、負けるかわからないが、勝つにしても、負けるにしても、とにかく一朝一夕ではいかないこと...
中里介山 「大菩薩峠」
...余の主義として衝突はこちらが勝つ場合についてのみあえてするが...
夏目漱石 「自転車日記」
...己れに克つこと能(あた)わずして世界に勝つことは...
新渡戸稲造 「自警録」
...お粂のやうな氣の勝つた女は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いつも葵のほうが勝つ...
久生十蘭 「金狼」
...――そこで半と言って勝つのだ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「盗まれた手紙」
...すべてが順調、ラッフル爺さんによれば馬は好調に仕上がり、走れば勝つ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...始終勝つてばかりゐると贅沢な心が起つてね...
牧野信一 「青白き公園」
...偶然にも沢田が勝つてよかつたと思つた...
牧野信一 「喜びと悲しみの熱涙」
...俺達の動かす器械が勝つかだ」「つまり一種の実験ですね」「……ムフムフ...
夢野久作 「難船小僧」
...蜂須賀一族の精猛(せいもう)をひいて、任地につくや否、すぐ着工し始めてから、二、三度の大雨はあったが、むしろ材木筏(いかだ)をながすによく、洲(す)は一夜に洗い流されても、「なんの」とばかり気を協(あわ)せて、太陽の曇りだす日が先か、ここに一郭(かく)の盛り土を築き上げてしまうのが先か、天力勝つか、人力勝つか、とばかり二千の野武士は、寝食もわすれて働いていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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