...けれども、彼は、動ずる色もなく、心もち含み声で語りだした...
モオパッサン 秋田滋訳 「墓」
...集る視線に動ずる色もなく...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...愚老はかくても聊(いさゝ)か動ずる気色もなく死せるが如くにて候ひしかば...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...動ずる必要はない...
田山録弥 「新しい生」
...与八は更に動ずるの色なく...
中里介山 「大菩薩峠」
...或いは動ずるほどの感覚を持っていない男ですが...
中里介山 「大菩薩峠」
...いくら秋の日がかんかんしても動ずる気色(けしき)はさらにない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「…………」家光は動ずる風もなく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...おきつ邊かつ鳴る海青なぎ今手に動ずる胸をおせば哀愁ことごと浮び出でてたぎつ瀬涙の八千尋沼ああ世は神祕の影にみちて興ある歌もつ子等もあるに何をか若きに眉根ひそめ執着泣くべくえ堪へんや例へば人あり花に醉ひて秋雲流るる夕づつに樂觀すぎしを思ふ如く足ぶみせんなき煩ひかや信なき一人に戀しさで今年もさびしう春は行きぬ...
萩原朔太郎 「ゆく春」
...小さなことに見苦しく動ずるなと教えられている...
久生十蘭 「キャラコさん」
...一向に動ずる気色がないばかりか...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...ソバケーヴィッチは少しも動ずるところなく答えた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...動ずる必要はないわけである...
牧逸馬 「チャアリイは何処にいる」
...石など水の上に投げたのに鴎は一向に動ずる氣色もなく...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...石など水の上に投げたのに鴎は一向に動ずる気色もなく...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...ただ泰然として動ずる色なく自己を持しただけだとは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...暇を申しわたしたがよい」動ずる色もない老母である...
吉川英治 「新書太閤記」
...一向それによって動ずる容子もなく...
吉川英治 「松のや露八」
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