...灘門(なだもん)の外に動くともなく動いてゆく柳の葉のように青い川の水になって...
芥川龍之介 「松江印象記」
...何か幅の広い銀色のものが樹々の後(うしろ)に下へ低く動いてゆくのが見え...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...あるものは北から西へかけての海上にゆるゆると並んで動いてゆく...
田畑修一郎 「南方」
...ぼくひとりの心の動いてゆくままにしたことである...
津田左右吉 「学究生活五十年」
...或る方向を定めて動いてゆくというようなことはなく...
津田左右吉 「日本歴史の特性」
...彼は何処まで自分の心が動いてゆくか恐ろしくなった...
豊島与志雄 「子を奪う」
...中間も常に動いてゆく...
豊島与志雄 「自由主義私見」
...細かな仄白いやつが一面に流れ動いてゆく...
豊島与志雄 「道連」
...心理は刻々に動いてゆくが...
豊島与志雄 「「紋章」の「私」」
...とぎすまされた精密機械が音もなく完全に動いてゆくように...
中井正一 「歴史の流れの中の図書館」
...掘立小屋のかしいだやうな格子の間から動いてゆく白い雲が見える...
林芙美子 「うき草」
...わたしはガクガク動いてゆくものに押されて歩いた...
原民喜 「鎮魂歌」
...運命の鞭の下に動いてゆく家畜の群にひきさげるものであると批難するものがある...
平林初之輔 「エミイル・ゾラの文学方法論」
...巧みに動いてゆく叔母の針の先を...
牧野信一 「公園へ行く道」
...時間的に動いてゆくものが同時に空間的に止まっているというところに生命的な形が出来てくる...
三木清 「人生論ノート」
...起(た)ってそこまで動いてゆくのではない...
三木清 「人生論ノート」
...それぞれが各自の責任を果してこそ世のなかが動いてゆく...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...そういう話が――親鸞の身辺に起りかけていると――すべての人間の運命というものの動いてゆく機微な時節が...
吉川英治 「親鸞」
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