...僕の妻を劬(いたは)りたいと思つたからである...
芥川龍之介 「或旧友へ送る手記」
...しかし荘厳にも劬(いたは)りの深いヨハネのクリストも斥(しりぞ)けることは出来ない...
芥川龍之介 「続西方の人」
...最も親切に劬(いたわ)ったので...
芥川龍之介 「忠義」
...もっともK君を劬(いたわ)りたい気もちの反(かえ)ってK君にこたえることを惧(おそ)れているのに違いありません...
芥川龍之介 「手紙」
...魂は劬らなければ育たない――之も一面の眞理である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...もともと仕事に無理をして来て自分の体を劬ってやらなかった報いだと諦めたが...
上村松園 「健康と仕事」
...わが身のことは忘れたかのように劬(いた)わってくれました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...お島は我子ばかりを劬(いた)わって...
徳田秋声 「あらくれ」
...不幸者を劬(いた)わるような態度にかえって...
徳田秋声 「仮装人物」
...悍馬(かんば)のやうなお粂を劬(なだ)め/\...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...斯くて今迄よりも一層多く哀れな人を劬(いたわ)り...
松永延造 「職工と微笑」
...その優しさ劬わり深さでいびられているような心地さえする...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...保本先生」とお雪は劬(いたわ)るように云った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...金之助は黙って劬(いた)わるように頷いた...
山本周五郎 「落ち梅記」
...庇(かば)いあい劬り支えあおうとする気持が...
山本周五郎 「菊千代抄」
...それは竹次夫妻の劬り愛しあう姿を見たからなのだ...
山本周五郎 「菊千代抄」
...よろこびのむなしさを劬(いたわ)り慰めるような...
山本周五郎 「さぶ」
...劬(いたわ)るように云った...
山本周五郎 「契りきぬ」
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