...常子は夫を劬(いた)わるように...
芥川龍之介 「馬の脚」
...懐の猫を劬(いたは)つてゐた...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...自分の魂を劬りながらその問題を育てゝ行くであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...すれば夜の目も合わさずに介抱し劬(いたわ)ってやらねばならぬ...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...わが身のことは忘れたかのように劬(いた)わってくれました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...不幸者を劬(いた)わるような態度にかえって...
徳田秋声 「仮装人物」
...工場とは出来るだけわが身を劬(いたわ)って働いて金をとるだけの場所と思っている者も幾分ある...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...しかしその可能を内容と成育させてゆくということは何と自分を劬(いたわ)っていられないことでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...劬(いたわ)りかき抱く思いの...
山本周五郎 「いさましい話」
...それは竹次夫妻の劬り愛しあう姿を見たからなのだ...
山本周五郎 「菊千代抄」
...慰め劬ろうとして集まった...
山本周五郎 「さぶ」
...「人間は弱いもんだ、気をつけていても、ひょっと隙があれば、自分で呆(あき)れるようなまちがいをしでかす、……だれかれと限らない、人間にはみんなそういう弱いところがあるんだ、……ここをよく覚えておいて呉れ、いいか、……そんなこともあるまいが、長いあいだには、時三も浮気ぐらいするかもしれない、……そのときは堪忍してやれ、夫婦のあいだのまちがいは、お互いに堪忍しあい、お互いに劬り、助けあってゆかなくちゃならない、それが夫婦というものなんだよ」父の言葉をはっきり聞きとめようとしながら、お孝はもう幸福とよろこびで頭がいっぱいになり、躯が溶けるような思いで泣き続けた...
山本周五郎 「寒橋」
...しかしこんどの事はへたに劬(いた)わったり妥協したりしてはいけない...
山本周五郎 「つばくろ」
...人間どうしの愛情や劬(いたわ)りには触れることができない...
山本周五郎 「ひとごろし」
...劬(いたわ)りのこもった眼つきで頷いた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...それから劬るように訊いた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...劬りのこもったまなざしを見たとき...
山本周五郎 「やぶからし」
...たとえ劬りにもせよ...
山本周五郎 「やぶからし」
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